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日暮し
「日暮し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日暮しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運」より 著者:芥川竜之介
極《きょうごく》辺の知人《しりびと》の家をたずねました。この知人と云うのも、その
日暮しの貧乏人なのでございますが、絹の一疋もやったからでございましょう、湯を沸か....
「俊寛」より 著者:菊池寛
かった。そのためでもあるが、三人は大宮人の習慣を持ちつづけて、なすこともなく、毎
日暮していた。俊寛は、そうした生活を改め、自分で漁りし、自分で狩りし、自分で耕す....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ぎ、今日の生活を明日に延ばすような生活を最も面倒のない生活と思い、そういう無事の
日暮しの中に、一日でも安きを偸もうとしているのだ。これが社会生活に強い惰性となっ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
れたものが、領事館へ陳情に出かけた。小金をためこんでいる者も、すっからかんのその
日暮しの連中も、同様に暗示にかかって、そのことにかゝずらった。 絶えまない軍閥....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
込まなければならない。 ――こんな困難な、どんなことになるか分らない時に、その
日暮しゝか出来ない我々は、せめてこの機関だけを死守しなければならない所へ追いつめ....
「小公女」より 著者:菊池寛
施しをさせて下さるなんて、うれしゅうございますわ。御覧の通り、私はほんのもうその
日暮しで、自分の力ではとても大したことは出来ないんでございますの。気の毒な人はそ....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
となしに親の時からつかわれて居た下男を夫にしてその土地を出て田舎に引き込んでその
日暮しに男が犬をつって居ると自分は髪の油なんかうって居たけれどもこんなに落ぶれた....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
燃えた。私は今までにあんなに明日のことを気にかけない人たちを見たことがない。その
日暮しというのが彼等のやり方を説明し得る唯一の言葉である。そして、彼等は小競合に....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
た樹の枝を折って樹から樹を柱に、屋根をこしらえて雨露を凌ぐの棲家となし、先ず其の
日暮しの用意は出来ました。 文「これで先ず露命を繋ぐ趣向が出来たというもの、此....
「火の扉」より 著者:岸田国士
ばん手近な働き口をと思い、ある喫茶店、と言つても港町のいかがわしい飲食店で、その
日暮しの給仕女にやとつてもらいましたの。 でも、こゝにこうしていれば、南からの....
「戦争について」より 著者:黒島伝治
るが、戦闘であることを思うと、どうしても気持が荒々しくなり、投げやりになり、その
日暮しをするようになる。家から、手紙に札を巻きこんで送られて、金が手に這入ると、....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
、松竹に肉迫した往年の勇気はない。守勢に立つ怯弱な方針に終始して、因循姑息でその
日暮しの間に新進の敵手が現われて、かならず彼等を圧迫するに至るであろう。彼等には....
「女強盗」より 著者:菊池寛
掃除などをして、かゆと強飯とを主人の女とその男に給仕した。こんな風にして、二、三
日暮していた。男は、夢み心地に女との愛欲生活をたのしんでいた。すると、女が何か外....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
行きたい。そのしっかりした根本方針を握って浮沈の多い世の中に処して行きたい。その
日暮しの生活知識の奥に、永遠に利息が産み出せる定期預金のような知識を積みたい。こ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
度も頭を下げねばならなかった。相手は、職人風の男で、その暮し振りを察するに、その
日暮し以上を出ないと見えた。頭を下げながら、権右衛門の頭に、百万円が想い浮ぶ様で....