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日本服
「日本服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日本服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
《えしゃく》をしながら、ほかの客の間を通って、前に坐っていた所へ来て坐った。Kと
日本服を来た英吉利人との間である。
舞台の人形は、藍色の素袍《すおう》に、立烏....
「或る女」より 著者:有島武郎
と倉地はもうワイシャツを脱ぎ捨てている所だった。
「胸《むな》くその悪い……おい
日本服を出せ」
「襦袢《じゅばん》の襟《えり》がかけずにありますから……洋服で我....
「星座」より 著者:有島武郎
の手には鼠色になった白木綿《しろもめん》の小旗を持っているのだが、その小旗には「
日本服を改良しましょう。すぐしましょう」と少しも気取らない、しかもかなり上品な書....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
した頃には、一脚のテーブルと一個の椅子と、少しの書物と、一着の洋服と、一かさねの
日本服位の物しかございませんでした。 学校から帰ると直に
日本服に着換え、座蒲団....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
った。長い外国生活をして来てまだ下駄に馴れないかの女は、靴を木履のように造らせて
日本服の時用いるための履きものにしていた。そのゴム裏は、まるで音のないような滑ら....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
すべての陰気、骨だらけの女や万河魚類、すし、吸物、さしみ、あらい、摺れ枯した心、
日本服など頗る閉口するのである。
日本服といえば、私は決して嫌なわけではないが....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
っている。要するに乞食性だといえばいえる。 衣類、持ちものにしても、私の好みの
日本服、好みの洋服、好みの外套、好みの帽子、好みの宝石、好みの時計、好みの自動車....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ものになって、話しにならぬ。これは外国へ来てツクヅクと思うた事だが、日本人には、
日本服程よいものはないよ、洋服の仕入でからだに合わぬ程いけないものはない。よく人....
「伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
って彼を不審相に見る様子がはっきり判った。彼は下駄を穿いて居る上に寝巻にして居た
日本服の古袷に長マントを着て居たので、彼の異国風俗を人々は見返ったのだ。彼は、公....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
劣って居る、後れて居ると言って悲観するにはあたらないと思います。 彼方へ行くに
日本服では外聞が悪いとか、馬鹿にされるとか、種々の説がありましたが、私は考えまし....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
れた大きな口……顔全体に威厳があった。着ている衣裳も美術的であった。しかしそれは
日本服ではなく、阿蘭陀風の服であった。それも船員の服らしく、袖口と襟とに見るも瞬....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
食堂へ出るのに折目のついたモーニングを着、夜、食堂へ出るのに、よれよれの普段着の
日本服に袴を穿かないのだから面白い。 正に儀礼顛倒という訳だ。 婦人用厠へ飛....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
蒋介石のテロにあったりしてあぶないなどといろいろそのお医者さんは注意してくれた。
日本服を着てゆくと目立つといっておどかされたのであったが、上海の街を歩いてみると....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
れども余程不審な顔をして眺めて居った。もっとも私がダージリンに居た時分には多くは
日本服を着け、稀にチベット服を着けても余り人中に出たことがない。チベットに行って....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、黒奴に化するものあり、インド人を擬するものあり、シナ人を装うものあり、あるいは
日本服を着し、あるいは獣面をかぶり、意匠を凝らして奇装を競い、列をなして甲板を一....