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「日照り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

日照りの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
源おじ」より 著者:国木田独歩
に遊ぶ子はこの童とともに育ちぬ。かくて彼が心は人々の知らぬ間に亡び、人々は彼と朝日照り炊煙《すいえん》棚引《たなび》き親子あり夫婦あり兄弟《きょうだい》あり朋友....
猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
儀をした。 自動車は白い土埃《つちぼこり》を上げ、乾燥し切った秋の空気を切って日照りの街中を走った。 「困っているんだったら、だれかの世話になってもいい気はな....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
る連峰をひと刷《は》けに押し包んで、山肌に、ところどころ陽が照っている――明方の日照り雨。 雨は、まだ降っているのだ。お山荒れは、どうやら納まったらしいが、こ....
マリヴロンと少女」より 著者:宮沢賢治
くふ》をもってためいきしながら藪《やぶ》のそばの草にすわる。 かすかなかすかな日照り雨が降って、草はきらきら光り、向うの山は暗くなる。 そのありなしの日照り....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
なると同時に地球は何となく水っぽく、野も山も森も湿っぽくい草は露にぬれる。真夏の日照りが続けば続くほど西瓜の中へ紅いお汁が充満するのを私はあり難く思う。それらの....
石ころ路」より 著者:田畑修一郎
の格好でどんな土砂降りの雨の中でも平気だ。時には頭から肩からぐしょ濡れになって、日照りの下を歩くと同じに仕事している。奥さんに訊くと、雨どころか、冬でも蒲団なん....
菜穂子」より 著者:堀辰雄
の年は空梅雨であった。そうして六月の末から七月のはじめにかけて、真夏のように暑い日照りが続いていた。私はめっきり身体が衰えたような気がし、一人だけ先きに、早目に....
楡の家」より 著者:堀辰雄
《からつゆ》であった。そうして六月の末から七月のはじめにかけて、真夏のように暑い日照りが続いていた。私はめっきり身体《からだ》が衰えたような気がし、一人だけ先に....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
とも肺病で死んだのだ)豊子姉はいそいそと政子姉の旅の支度をしてやり、私たちのため日照り坊主をつくって晴れを祈ってくれた。自分が行かないとて羨むようなところは微塵....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
かと何だか恥ずかしいような気がした。 肩が重く意識されてきた。小雨だ。朝から、日照り雨が渡ってるのだ。一雨ごとのあたたかさが、来るのだ。そこにも、ここにも、春....
私本太平記」より 著者:吉川英治
。 都の内は暑かった。 もう夏景色といっていい。 が、雨期は低迷気味で、薄日照りのムシムシする日がつづいていた。――正成は五月十九日入京のむねを御所へ届け....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
先生はけさ暗いうちから大山に登り、水瓜を探した。ところが植え付けが少なかった上に日照りの関係でできが悪く、そこへ商人が来て買い占めて持って行ってしまった後だった....