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「日限〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

日限の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
後の事は申し上げるまでもございますまい。が、ただ一つ御耳に入れて置きたいのは、当日限り私は狂人と云う名前を負わされて、憐むべき余生《よせい》を送らなければならな....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
しょう。わたしは北条屋《ほうじょうや》の危急《ききゅう》を救うために、三日と云う日限《にちげん》を一日も違えず、六千貫の金《かね》を調達する、恩返しの約束を結ん....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
ばかり、多少ヒステリックにもなっていたのでしょう。一時はほとんど毎日のように、今日限り三味線を持たないとかいっては、子供のように泣いていました。それがまたなぜだ....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
言いっておく。親類も糞もあるもんか、懇意も糸瓜もねいや、えい加減に勝手をいえ、今日限りだ、もうこんな家なんぞへ来るもんか」 薊は手荒く抑える人を押し退けて降り....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
んが、青木さんの方が成り立っていても、今月一杯はかかるんでしたから――そこいらの日限は、どうか、よろしく」と、念を押した。 「それはもちろんのことです」主人はち....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
。これほど探しても分らぬものを、これからまた十年十五年と探すは無駄なことじゃ。今日限りかねて其方に申しつけてあった半之丞捜索の儀は免除してとらせる」 「ははッ。....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
に、三日ばかり降込められた、宿の出入りも番傘で、ただ垂籠めがちだった本意なさに、日限の帰路を、折から快晴した浦づたい。――「当修善寺から、口野浜、多比の浦、江の....
転機」より 著者:伊藤野枝
?」 「別に用というわけではありませんが、じつはここに残っている人達がいよいよ今日限りで立ち退かされるという話を聞いたもんですから、どんな様子かと思って――」 ....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
でにない晴れ晴れした調子が罩っていました。 「その言葉を忘れるなよ。ではおれは今日限り、二度とお前には遇わないから」 鉄冠子はこう言う内に、もう歩き出していま....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
から鳥が立つような話なので私はすくなからずめんくらつたが、それでもとにかく注文の日限に「天下太平記」というものをこねあげて渡したら、大枚百円なりを即金でもらつた....
」より 著者:犬田卯
きいた風なこと吐かしやがって、汝ら、はア、俺家のおっ母とでもいっしょになれ……今日限り、縁を切っから、はア……」 おせきは地団太を踏んで、歯をぎりぎりとかみ、....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
るものなること。第四に、愉快の旅行は商用の旅行と異なり、余分の金を費やし、多数の日限滞在すること。第五に、外国人は日本に遊ぶも、パリやロンドンに遊ぶがごとき愉快....
西航日録」より 著者:井上円了
病院、工場、博物館、図書館、止宿所、孤児院等を巡見せり。その中に、貧民の乳児を一日限り委託を受くる組織あり。すなわち、乳児ありて出でて労役をとることあたわざるも....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
介するは、地方教育上今日の急務と信じ、ここに南遊の志を起こすに至る。その周遊の時日限りありて、詳細の視察は到底望むべからざるも、諺に「百聞一見にしかず」というが....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
した。投げつけた一輪ざしで私は散々打たれて、痣だらけになりました。 私はもう今日限りこの家を出ます、そしてタイピストになって働く決心をしました。働いて自活しま....