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「日限り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

日限りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
後の事は申し上げるまでもございますまい。が、ただ一つ御耳に入れて置きたいのは、当日限り私は狂人と云う名前を負わされて、憐むべき余生《よせい》を送らなければならな....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
ばかり、多少ヒステリックにもなっていたのでしょう。一時はほとんど毎日のように、今日限り三味線を持たないとかいっては、子供のように泣いていました。それがまたなぜだ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
をきらったのだと思っていやがる)それで、彼の決心はいよいよ固くなった。 「僕は今日限り廃めさせていただきます」わりに丁寧な声が出たので、われながら気持良かった。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にはいろいろの噂が伝えられているうちに、いよいよ盂蘭盆の十五日が来た。祈祷はこの日限りでとどこおりなく終った。 あくる十六日の朝になっても、弁天堂の扉はあかな....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
言いっておく。親類も糞もあるもんか、懇意も糸瓜もねいや、えい加減に勝手をいえ、今日限りだ、もうこんな家なんぞへ来るもんか」 薊は手荒く抑える人を押し退けて降り....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
う断ったが、三好は言いだしたらあとへ引かぬ男で、しまいには、 「出てくれねば、今日限り口をきかぬ!」 と、言うので、さすがの佐助もいいなりになるより外に仕方が....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
。これほど探しても分らぬものを、これからまた十年十五年と探すは無駄なことじゃ。今日限りかねて其方に申しつけてあった半之丞捜索の儀は免除してとらせる」 「ははッ。....
転機」より 著者:伊藤野枝
?」 「別に用というわけではありませんが、じつはここに残っている人達がいよいよ今日限りで立ち退かされるという話を聞いたもんですから、どんな様子かと思って――」 ....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
でにない晴れ晴れした調子が罩っていました。 「その言葉を忘れるなよ。ではおれは今日限り、二度とお前には遇わないから」 鉄冠子はこう言う内に、もう歩き出していま....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
三百の口調態度がすっかり変って来ていた。そして彼は三百の云うなりになって、八月十日限りといういろ/\な条件附きの証書をも書かされたのであった。そして無理算段をし....
」より 著者:犬田卯
きいた風なこと吐かしやがって、汝ら、はア、俺家のおっ母とでもいっしょになれ……今日限り、縁を切っから、はア……」 おせきは地団太を踏んで、歯をぎりぎりとかみ、....
西航日録」より 著者:井上円了
病院、工場、博物館、図書館、止宿所、孤児院等を巡見せり。その中に、貧民の乳児を一日限り委託を受くる組織あり。すなわち、乳児ありて出でて労役をとることあたわざるも....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
介するは、地方教育上今日の急務と信じ、ここに南遊の志を起こすに至る。その周遊の時日限りありて、詳細の視察は到底望むべからざるも、諺に「百聞一見にしかず」というが....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
ているらしい。 「僕は自分の人格を蹂躙せられてこの家にいることが出来ないから、今日限り出て行く」 「出て行くなら、出て行け。血でも吐いて早くくたばりやがれ」 「....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
した。投げつけた一輪ざしで私は散々打たれて、痣だらけになりました。 私はもう今日限りこの家を出ます、そしてタイピストになって働く決心をしました。働いて自活しま....