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日陰者
「日陰者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日陰者の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ふと木部との恋がはかなく破れた時の、われにもなく身にしみ渡るさびしみや、死ぬまで
日陰者であらねばならぬ私生子の定子の事や、計らずもきょうまのあたり見た木部の、心....
「灯籠」より 著者:太宰治
さんにも、また私の父にも似ていないとやらで、いよいよ世間を狭くし、一時はほとんど
日陰者あつかいを受けていたらしく、そんな家庭の娘ゆえ、縁遠いのもあたりまえでござ....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
庭内労働から迷い出た処の、日本家庭主義の残滓の象徴である。之は社会的公服を欠いた
日陰者のものだ。他方洋服の方は勤労社会からはみ出した過剰物としての、奢侈品として....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
《うち》が有るンじゃ有りませんしさ、人の厄介《やっかい》になって苦労する位なら、
日陰者でもまだ其方が勝《まし》かと思ったもんですからね、馬鹿さねえ、貴方《あなた....
「探偵戯曲 仮面の男」より 著者:平林初之輔
きまとっている。今の驚きようはどうだ! まるで何か悪いことをして、世を忍んでいる
日陰者のような驚きかただ! すると俺のやりかたはいったい間違っているんだろうか....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
いていた。 三年前に徳撰の店へ寄った時、今度は北へ足を向けるというのを幸いと、
日陰者の一子徳松の行方捜査を、撰十はくれぐれも清二郎に頼んだのであった。それもた....