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旦那
「旦那〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旦那の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
をおっしゃると、蔦《つた》の家《や》から電話がかかって来ても、内証《ないしょ》で
旦那様へ取次ぎますよ。」
「好《い》いわよ。早くいらっしゃいってば。紅茶がさめて....
「春」より 著者:芥川竜之介
は急に常談《じょうだん》を言う寛《くつろ》ぎを感じた。
「じゃ立派《りっぱ》な若
旦那様なのね。」
「ええ、ただそりゃボエエムなの。下宿《げしゅく》も妙なところに....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
、彼は十一の年に南伝馬町《みなみでんまちょう》の紙屋へ奉公に行った。するとそこの
旦那《だんな》は大の法華《ほっけ》気違いで、三度の飯も御題目を唱《とな》えない内....
「影」より 著者:芥川竜之介
さすりながら、その窓の外の夾竹桃へ、物憂《ものう》そうな視線を遊ばせていた。
「
旦那様《だんなさま》は今晩も御帰りにならないのでございますか?」
これはその側....
「河童」より 著者:芥川竜之介
言ってチャックにあやまるのです。
「どうもまことに相《あい》すみません。実はこの
旦那《だんな》の気味悪がるのがおもしろかったものですから、つい調子に乗って悪戯《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
的|町中《まちなか》らしくない、閑静な眺めには乏しくなかった。が、それだけにまた
旦那《だんな》が来ない夜《よ》なぞは寂し過ぎる事も度々あった。
「婆や、あれは何....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
口にいた赤帽《あかぼう》の一人が、突然千枝子に挨拶《あいさつ》をした。そうして「
旦那《だんな》様はお変りもございませんか。」と云った。これも妙だったには違いない....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
。)このけい約書とひきかえに二百円おもらい下され度《たく》、その金で「あ」の字の
旦那《だんな》〔これはわたしの宿の主人です。〕のお金を使いこんだだけはまどう〔償....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ろ》を向けたまま、もう入口に直した足駄《あしだ》へ、片足下している所だった。
「
旦那《だんな》。工場《こうば》から電話です。今日《きょう》あちらへ御見えになりま....
「老年」より 著者:芥川竜之介
待合の女将《おかみ》が一人来ていたが、皆四十を越した人たちばかりで、それに小川の
旦那《だんな》や中洲の大将などの御新造《ごしんぞ》や御隠居が六人ばかり、男客は、....
「少年」より 著者:芥川竜之介
めた硝子障子《ガラスしょうじ》をあけると、石鹸《せっけん》だらけになっていた父へ
旦那様《だんなさま》何とかと声をかけた。父は海綿《かいめん》を使ったまま、「よし....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
猪首《いくび》の町人と酒を飲んでいた。年増は時々|金切声《かなきりごえ》に、「若
旦那《わかだんな》」と相手の町人を呼んだ。そうして、――穂積中佐は舞台を見ずに、....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
敏の一件で、聞けば昨夜遅くなってから、泰さんの所へお敏が来た。そうして是非一度若
旦那に御目にかかって、委細の話をしたいのだが、以前奉公していた御店へ、電話もまさ....
「狂女」より 著者:秋田滋
の膝にとり縋って、泣かんばかりにこう云った。 「奥さんは起きるのがお厭なんです。
旦那、起きるのは厭だと仰有るんです。どうぞ堪忍してあげて下さい。奥さんは、嘘でも....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
う、そう――だけど、あのひとのほうが髪の毛が黒いし、背丈もたかいし、それに立派な
旦那のようななりをしているねえ。だけど、お爺さん、ごらんよ、あの顔はお前さんの若....