» 旧く

「旧く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
の友、そして君を尊敬している ベートーヴェン 一八二七年二月十七日、ヴィーン旧くかつ貴い友よ! ブロイニングから君の第二の手紙を受け取って悦んだ。それに返....
」より 著者:岡本かの子
たくない時でも鮨を喰べるというその事だけが湊の慰めとなるかを話し出した。 ――旧くなって潰れるような家には妙な子供が生れるというものか、大きな家の潰れるときと....
長篠合戦」より 著者:菊池寛
は、それで甲州武士か」と嘲笑をあびせると、武田の旗奉行振り返って、「いやその旗は旧くなったものだから棄てたので、かけ代え此処に在り」と云って新しい大文字の旗を掲....
秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
諸国、即ち呂宋、媽港、安南、東京、占城、柬埔塞、暹羅、太泥等と貿易をしたのは相当旧くからであるが、それらの国々へ渡航する船舶に対し、官許の免許状(朱印)を与えて....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
いう事に成っては誰を力に致すか」 みゑ「はい伯父さまも御存じでございましょうが、旧く居りまする勇助と申す老爺が、たとえお父さまがおかくれに成っても、稻垣さまと許....
芽生」より 著者:島崎藤村
こういう私の家の光景《ありさま》は酷く植木屋の人達を驚かした。この家族を始め、旧くから大久保に住む農夫の間には、富士講の信者というものが多かった。翌日のこと、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
値を転倒し始めていた。急激に時世遅れになって行く古い武器がある。眼前に潰えて行く旧くからの制度がある。下民百姓は言うに及ばず、上御一人ですら、この驚くべき分解の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
。ヨーロッパ人はもう長いことそれを経験して来た。在来の東洋諸国を見るに、多く皆|旧くからの習慣を固守するばかりだ。貿易を制限するところがあり、居留地を限るところ....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
れ以上も売るというのである。で、住宅なども四囲に際立って宏壮なものである。多くは旧くからの家柄で、邸の内外には数百年の老樹が繁っているのを見受けるのである。現に....
六月」より 著者:相馬泰三
う早稲田出の新進作家がいた。自分を社へ紹介してくれた人で、そんなに親しくはないが旧くから知ってるので窮屈でなくてよかった。その次ぎが二面のT法学士に三面のY君、....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
は同じく欄間で鉄線蓮唐草の図(鉄線蓮はよく人家にある蔓草で、これも紋様などにして旧くから使われているもので、大変趣のあるもの、葉は三葉で一葉を為し、春分旧根から....
田七郎」より 著者:田中貢太郎
といったが、七郎は負債のあるのを遺憾として、どうしても来なかった。武はそこで先ず旧くから蓄えてある皮をくれといって、早く七郎に来てもらおうとした。七郎は蓄えてあ....
日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
の区別はなくなり、帝国憲法にも臣民という一つの称呼が用いてある。今でも宮廷では、旧くからの風習により或る地位をもっているものが臣と称することがあるらしいが、一般....
科学上の骨董趣味と温故知新」より 著者:寺田寅彦
通である。 科学者の修得し研究する知識はその本質上別にそれが新しく発見されたか旧くから知られているかによって価値を定むべきものではない。科学上の真理は常に新鮮....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
働と生産とによって産み出した特有に社会的な諸条件は、殆んど全く顧みられていない。旧くモンテスキューが社会に於ける法の本質(精神)に就いて説いたやり方を、文化の精....