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「旧交〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧交の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女神」より 著者:太宰治
て昨年の十一月に、また東京へ舞い戻って来て、久し振りで東京のさまざまの知人たちと旧交をあたためる事を得たわけであるが、細田氏の突然の来訪は、その中でも最も印象の....
人間失格」より 著者:太宰治
雪のちまたを駈けめぐるという具合いになるのでした。 その日以来、自分たちは再び旧交をあたためたという形になり、京橋のあの小さいバアにも一緒に行き、そうして、と....
新生」より 著者:島崎藤村
のことを書いてよこした。彼女が同期の卒業生は各自《めいめい》の家へ順番に寄合って旧交を温めることにしているので、彼女の家でも最近に小さな集りをして、以前格別御世....
少女地獄」より 著者:夢野久作
に出来た会……ウン。それだ、ナアニ。毎月一回ずつ三日か四日の日に、みんなが寄って旧交を温めたり、不平を言い合ったりして飲んだくれる会さ。ステキに朗らかな会なんだ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
にもかくにも彼は二人の子にあい、その世話になる人々に礼を述べ、知人の家々を訪ねて旧交を温めただけにも満足しようとした。帰路には彼はやはり歩き慣れた木曾街道をえら....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
その時代の事であったろうと思うが、筆者の母親の生家に不幸のあった時のこと、仏に旧交のあった奈良原到が、どこから借りて来たものか上下チグハグの紋服に袴を穿いて悔....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
君と僕とが相和して往来するようになれば、京中の上下は全く安心する、よってこの際、旧交を温めて、快く一夕を語り明かしたい」 こういう意味で伊東へ交渉すると、伊東....
細木香以」より 著者:森鴎外
や海老の殻」と云うのがあった。 文久元年の夏深川に仮宅のある時であった。香以は旧交を温ねて玄魚、魯文の二人を数寄屋町の島村半七方に招いた。取持には有中、米八が....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
折って、反対に賞讃する事にせなった。しかるに惜いかな、子規氏は生前に氏と握手して旧交を復さずにしまった事である。爾来瀾水氏は久しく俳句をやめていたかと思うが、最....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
形式はその内容をなす生命の流動によって活かされるのである。 生命は渦動する。新旧交替の時期において、人文はその渦動に催されて一歩進める。ただの一歩とは言え、そ....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
校で、紅葉が三田英学校から大学予備門にはいると、二級の時に美妙斎が四級にはいり、旧交があたためられて、二人は文学で立とうという決心をあかし合い、しかも、芝からで....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
、早く既に自家遺伝の美徳美風を失うことなきを期すべからず。これらの弊害は事物の新旧交代の際に多少免るべからざるものとしてこれを忍ぶも、ここに忍ぶべからざるは、そ....
将来の日本」より 著者:新島襄
一冊子を編著し、これを余に贈り、あわせて余の一言を求めらる。余不文といえども君と旧交のあるあり。あにあえて君の好意を空しゅうすべけんや。余これを読み、その第一回....
三国志」より 著者:吉川英治
晃どの、おつつがもなく」 「オオ。満寵ではないか。――どうしてこれへ来たか」 「旧交を思い出して、そぞろお懐かしさの余りに」 「この陣中、敵味方と分れた以上は、....
黒田如水」より 著者:吉川英治
村重の態度を愍然なものと見ていた。 主家小寺家と荒木家とは、いろいろな縁故から旧交浅からぬ間であった。従って、官兵衛も彼の性行と今日ある由縁はよく知っていた。....