旧作[語句情報] » 旧作

「旧作〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧作の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河明り」より 著者:岡本かの子
って立っているようなものです」 彼はすっかり韻文の調子で云って、それから、彼の旧作の詩らしいものを、昔風の朗吟の仕方で謡った。 星の海に 船は乗り出でつ 魂惚....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
のじゃありませんでしたよ。わたしも興奮しましてね、あの翌晩もひとりで起きていて、旧作の長歌を一晩かかって書き改めたりなぞしましたよ。」 ちょうどその時、年寄役....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
せる煙こそ遠山里のしるしなりけれ これらの冬の歌は、半蔵が郷里の方に残して来た旧作である。彼は左衛門町の二階にいてこれらの旧作を思い出し、もはや雪道かと思われ....
俳諧瑣談」より 著者:寺田寅彦
は俳人でもないからと一応断わってみたが、たってと言われるので万年筆でいいかげんの旧作一句をしたためて帳面を返した。すると今度はふろしきの中から一冊の仮りとじの小....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
び出して、選挙のことも、改定のことも閑却され、ここ暫《しばら》く、創作の興味が、旧作の復習に圧倒された形です。 そうして、この番附面の極印、やはり銀杏加藤の奥....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
まった。 彼は渇《かつ》を癒《いや》さんがために、すでに手に入れた泉で、自分の旧作で、喉《のど》をうるおそうとした。……厭な飲料! 彼はそれを一口含むや、のの....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のは、この凡庸人のうちに何かある偉大なものが実際に存在していたことです。私は彼の旧作を二つ読んでみました。所々に奇警な観念がこもっていて、しかもそれが荒削りの状....
百喩経」より 著者:岡本かの子
前言 この作は旧作である。仏教は文芸に遠い全々道徳的一遍のものであるかという人に答えるつもりで....
チェーホフ試論」より 著者:神西清
年の作だ。ずっと晩年に及んだ、『結婚披露』『記念祭』の二つの笑劇があるが、ともに旧作(前者は一八八九年、後者は一八九一年の作)に、相当丹念な筆を加えたものである....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
。『読売』などに時々出るのは不相変まずきよう覚え候。まずしといえば小生先頃自身の旧作を検査いたし、そのまずきことに一驚を喫し候。作りし当時は誰しも多少の己惚れは....
雑信(二)」より 著者:種田山頭火
思うけれど、事実は飽くまでも事実である。 △放浪によりてえたる貧しき収穫より――旧作□ 美しき人を泣かして酒飲みて調子ばづれのステヽコ踊る 旅籠屋の二階にまろ....
正宗谷崎両氏の批評に答う」より 著者:永井荷風
げて文壇の経歴を述べたのは今より十五、六年以前であるが、初は『自作自評』と題して旧作の一篇ごとに執筆の来由を陳《の》べ、これによって半面はおのずから自叙伝ともな....
すみだ川」より 著者:永井荷風
があるや否やを知らない。しかしわたくしは小山書店の主人がわたくしの如き老朽文士の旧作を忘れずに記憶しておられたその好意については深く感謝しなければならない。依《....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
中村鴈治郎の父なり。 ○四月、新富座にて「天衣紛上野初花」を上演。河竹新七がその旧作を改訂せるものにて、団十郎の河内山、菊五郎の直侍、左団次の金子市之丞、半四郎....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
これはお雪が住む家の茶の間に、或夜蚊帳が吊ってあったのを見て、ふと思出した旧作の句である。半《なかば》は亡友|唖々《ああ》君が深川長慶寺裏の長屋に親の許さ....