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「旧冬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧冬の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
もあったかえ」 「いいえ、なんにも知りいせん」と、八橋は冷やかに答えた。 「実は旧冬二十五日の晩に、わたしのところへその相談に来たんだが……」 八橋は思いも付....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の挨拶を述べた。それからいつもの雑談に移ると、早くも老人の方から口を切った。 「旧冬、冬木でお話をした歩兵の髪切りの一件……。そのあとをお話し申しましょうかね」....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
る場合でないとして、不賛成を意味する建白書を幕府に提出した。それを約めて言えば、旧冬尾州の御隠居を総督として長州兵が京都包囲の責めを問うた時、長州藩でもその罪に....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
時代からの正香のなじみである。この人の上京は自身の用事のためばかりではなかった。旧冬十一月の二十二日に徳川慶喜が将軍職を辞したころから、国政は再び復古の日を迎え....
丹下左膳」より 著者:林不忘
弧《はんこ》のうしろから大声に叱呼《しっこ》した。 「やいッ! 丹下左膳とやら。旧冬《きゅうとう》来お膝下を騒がせおった辻斬りの下手人がなんじであることは、もは....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
店を休ませました。それから株を与えてある店員十名を、改築前の広間に招き、主人から旧冬代々木初台に開設した支店を断然閉鎖すること、設備費数千円の損害は諸君の生きた....
南国太平記」より 著者:直木三十五
当てて、猫背になりながら、祐筆に、手紙の口述をしていた。 諸国和製砂糖殖え立、旧冬より直段《ねだん》、礑《はた》と下落致し、当分に至り、猶以て、直下《ねさ》げ....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
接し候心地千秋万歳の寿をなさんがため一句呈上いたし候。 初鴉東の方を新枕 小生旧冬より肥後小天(?)と申す温泉に入浴、同所にて越年いたし候。 かんてらや師走の....
正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
七月から日清戦争が開かれている。すなわち軍国の新年である。海陸ともに連戦|連捷、旧冬の十二月九日には上野公園で東京祝捷会が盛大に挙行され、もう戦争の山も見えたと....
志士と経済」より 著者:服部之総
ねて御国産陶器類、製練所御用のさらさ形木綿等、取揃方御用承り度く……その段すでに旧冬来|工藤左門《くどうさもん》を以て内願仕り候|下《しも》ノ関《せき》竹崎浦《....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
、政七も出て参り下座に坐り、慇懃に両手を突き、 政「へえ新年御目出度う存じます、旧冬はまた何かと段々お引廻しでございまして、お屋敷の方を事|無うお勤めを致しまし....
三国志」より 著者:吉川英治
とけた容子である。そこへ、童子が、茶を献じる。 孔明は、茶をすすりながら、 「旧冬、雪の日に、お遺しあったご書簡を見て、恐縮しました。――そして将軍が民を憂い....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
をあらためて、他日、また。(二六・二・二五) “お断り”から先に書く。 これは旧冬、伊勢、志摩、南紀、熊野、那智、大阪、神戸|界隈までを誌上にすませた先の史蹟....
雪の障子」より 著者:島崎藤村
めずらしいものが降った。旧冬十一月からことしの正月末へかけて、こんな冬季の乾燥が続きに続いたら、今に飲料....