旧套[語句情報] » 旧套

「旧套〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧套の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
こでは揮発性と操持性とを失った。いわば善悪が融着してしまった世界である。ここでは旧套の良心|過敏性にかかっている都会娘の小初の意地も悲哀も執着も性を抜かれ、代っ....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
雖も話術家にして巧に話の筋を作為し、自ら之を演ぜんか、是れ素より上乗なる者、彼の旧套を脱せざる昔話のみを演ずる者に比すれば同日の論にあらず。而して此の如きは百歳....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
。 私の父は、後には藩中でむしろ新知識のある方であったけれども、その頃には全く旧套を守る主義であったので、激しい衝突をした結果、当時目付から側用達という重い役....
三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
れを示した。そしてこの設問の熱情の故に、彼の哲学は、単なる知識的な単なる学問的な旧套を脱して、具体的な生き物となった。彼が行動や政治を重視したのは必然のことであ....
街頭」より 著者:岡本かの子
、百貨店、ギャラレ・ラファイエットの飾窓から一くぎりずつ出て来る群集を待ち受けて旧套な夜の巴里が次ぎ次ぎに呑んで行く――。....
光は影を」より 著者:岸田国士
じやないの」 「進歩的はおそれいるけど、まあ、せいぜい、自分で気のつく範囲では、旧套を脱しようとつとめてるのよ。これでも、たいへんな革命なの、あたしとしちや……....
旧藩情」より 著者:福沢諭吉
夢《ざんむ》の未《いま》だ醒覚《せいかく》せざる証拠なり。或は市中公会等の席にて旧套《きゅうとう》の門閥流《もんばつりゅう》を通用せしめざるは無論なれども、家に....
ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
界は白馬会の全盛時代であって、白馬会に非ざるものは人に非ずの概があった。しかし、旧套墨守のそうしたアカデミックな風潮に対抗して、当時徐々に新気運は動きつつあった....
徳育如何」より 著者:福沢諭吉
せんとするも、今日の勢において、よく導きて古に復するを得べきや。今の法律を改めて旧套に返るべきや。平民の乗馬を禁ずべきや。次三男の自主独立をとどむべきや。 こ....
学者安心論」より 著者:福沢諭吉
心変革の結果なり。 天下の人心すでに改進に赴きたりといえども、億兆の人民とみに旧套《きゅうとう》を脱すべきに非ず。改進は上流にはじまりて下流に及ぼすものなれば....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
族を倒し、学校を起こし、新聞局を開き、鉄道・電信・兵制・工業等、百般の事物一時に旧套を改めたるは、いずれもみな数千百年以来の習慣に疑いを容れ、これを変革せんこと....
鉄の規律」より 著者:平林初之輔
信ず。しかるに、本日銀行家倶楽部における閣下の演説は、閣下の外交方針が依然として旧套《きゅうとう》を脱せず、×国に対する戦争の危機を緩和せんとする努力を毫末《ご....
四十年前」より 著者:内田魯庵
して指を啣えて眼を白黒する外はなかった。中には戯文や駄洒落の才を頼んで京伝三馬の旧套を追う、あたかも今の歌舞伎役者が万更時代の推移を知らないでもないが、手の出し....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
民残らず全部を登壇授戒せしめて、一挙に民族精神の作興を企図されたのですが、南都の旧套仏教家の妨害に遭って、生前にはその官許を得られませんでしたが、死後、比叡山に....
軽井沢にて」より 著者:正宗白鳥
れるのである。西洋映画の字幕において屡々見られ、トーキー映画に於ても屡々聞かれる旧套語、「私はあなたがなくては生きていられぬ」という言葉が、源氏をはじめさまざま....