旧姓[語句情報] »
旧姓
「旧姓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧姓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、主従の墻を越えた異様なものがあるように思われたからである。しかし、八木沢という
旧姓に眼が触れると、突然法水は異様な呼吸を始め、惑乱したような表情になった。そし....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
うでございますが、おついでに、師匠の姓の一字をもお貰い致したい。高橋の高を頂いて
旧姓奥村の奥と代え高村と致し、高村東雲は如何でございましょう」という。「それは面....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
この松原貴速という人は、長州の俗論党の錚々《そうそう》たる人であったらしく、
旧姓山県九郎右衛門という(この人について、御存じの方は御一報願いたい)、後に、石....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
う思いながらその項をじつと読みはじめたのである。
秋川駿三(四十五才)
君は
旧姓山田、二十三才のとき、当家先代長次郎氏に認められて、家女徳子(現在の夫人)の....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
私の記憶に残っている現存者は僅々左の十数氏に過ぎない。(順序不同) 牟田口利彦(
旧姓梅津)、野中到、隈本有尚、中江三次、宇佐元緒、松本健次郎、加野宗三郎、佐藤文....
「平野義太郎宛書簡」より 著者:野呂栄太郎
臥床《がしょう》中執筆、第六回配本に間に合わすよういたします。 なお帯刀貞代氏(
旧姓織本氏)から同封のような御手紙が参りましたが、私は右様な事情で早速の間に合い....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
スノウの細君が西北地方旅行会見記をかいて居ります。スノウ夫人とは云わず、別な名(
旧姓)でやっているらしい。訳もむずかしかったでしょう(『改造』四月)。スメドレイ....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
って見覚えのある印籠がある。そしてその側には添え状がある。 「進上申す印籠の事。
旧姓、飛沢。今は、今日の捕手頭富沢甚内より 勾坂甚内殿へ」 「あっ」思わず声....
「読書遍歴」より 著者:三木清
で、ツルゲーネフのものを比較的多く読んだ。その時分私の中学で外国文学の新知識は、
旧姓を永富といい、現在外交評論家として知られている鹿島守之助君であった。鹿島君は....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
閣文相、安藤正純氏の弟であって、本願寺の坊さんもしたことのある人である。三浦環(
旧姓柴田)という世界的オペラシンガーが上野音楽学校を卒業した時に、そのクラスの中....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
った。これが私の最初の弟子で、弟子中では最も古参であります。国吉は後に仔細あって
旧姓山本に復し山本瑞雲と号したのです。 瑞雲氏は実父、養父の気性を受けてなかな....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
く考えて、なぜだかはっとした。 二月の吉日、式を挙げて、直ぐ軽部清正、同政子(
旧姓都出)と二人の名を並べた結婚通知状を三百通、知人という知人へ一人残らず送った....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
ですが、洗礼名がヤーコプっていうんです。で、姓はむろん母のと同じはずですが、母は
旧姓ベンデルマイヤーっていうんです」 「みなさん!」と、窓ぎわで気をとりしずめて....
「年譜」より 著者:原田義人
であったが、同時に嫌悪と違和感をも抱かずにはいられなかった。母ユーリエ・カフカ(
旧姓レーヴィー)は、プラークの相当な家柄の出身で、スペインやアフリカで成功した兄....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
たんですの」 「すると、あの青年は?」 「私の従弟ですの」 「なるほど、あなたの
旧姓と同じですね、秋田弘とか云いましたね」 「父の弟の息子です。秀才だったのです....