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「旧居〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧居の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
協会雑誌第八千二百七十四号所載) わが心霊学協会は先般自殺したる詩人トック君の旧居にして現在は××写真師のステュディオなる□□街第二百五十一号に臨時調査会を開....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
荒削りの槙柱に縄で括りつけたロココ式の半姿見へ小初は向った。今は失くした日本橋の旧居で使っていた道具のなかからわずかに残しておいたこの手のこんだ彫刻|縁の姿見で....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
めて行きたい書籍の十が一をも手に入れず、思うように同門の人も訪ねず、賀茂の大人が旧居の跡も見ずじまいであっても、ともかくも平田家を訪問して、こころよく入門の許し....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
お民、吾家の周囲も変わったなあ。新宅(下隣にある青山の分家、半蔵が異母妹お喜佐の旧居)も貸すことにしたね。変わった人が下隣にできたぞ。あの洒落ものの婆さんは村の....
死までを語る」より 著者:直木三十五
、下宿から、中学の庭を透して見える、小汚い生垣の、傾いたような家が、夏目漱石氏の旧居で「猫」は、あすこで書いたんだよ、と、藤堂が説明してくれた。 汚い下宿であ....
大脳手術」より 著者:海野十三
けるつもりでいたところ、珠子はそれに反対だった。同棲するには準備もいることだし、旧居を片付けるためにも時間を要するから、大体あと五週間の余裕を置いてくださらない....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
たのは彼女であった。その路は馴染《なじみ》のある土地であった。菊坂《きくざか》の旧居は近かった。けれども其処を歩いていたのは、謹厳深《つつしみぶか》い胸に問いつ....
滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
。僕はその金にも困った揚句、確か夜の八時頃に滝田君の旧宅を尋ねて行った。滝田君の旧居は西片町から菊坂へ下りる横町にあった。僕はこの家を尋ねたことは前後にたった一....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
生活でもやることにしよう」 私は借家を探し出した。 児玉町の方へ行って見て、旧居の前へ差しかかった。もう人が入っていた。これは当然なことであった。私には何と....
遠藤(岩野)清子」より 著者:長谷川時雨
子はうっすら眼をさました。 歩兵一|聯隊《れんたい》の起床ラッパを、赤坂檜町の旧居で聴いている錯覚をおこしていたが、近くで猫が、咽喉《のど》を鳴らしている気も....
葛飾土産」より 著者:永井荷風
富町《しんとみちょう》旧新富座裏を流れて築地川に入る溝渠○明石町《あかしちょう》旧居留地の中央を流れた溝渠。むかし見当橋のかかっていた川○八丁堀《はっちょうぼり....
日和下駄」より 著者:永井荷風
《きのしたもくたろう》北原白秋《きたはらはくしゅう》諸家の或時期の詩篇には築地の旧居留地から月島永代橋《つきしまえいたいばし》あたりの生活及びその風景によって感....
向嶋」より 著者:永井荷風
》をなした者を誰かと問えば、それは実に幸田先生であろう。先生は震災の後まで向嶋の旧居を守っておられた。今日その人はなお矍鑠《かくしゃく》としておられるが、その人....
私本太平記」より 著者:吉川英治
待ちする」 「今宵にでも」 「けっこうです。ただ近来家中も急増して手ぜまのため、旧居は弟の義助にゆずり、それがしは高倉ノ辻にいますが」 「御新亭の方か」 「いや....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の地に隠棲したと聞いている兵学の師、毛利時親なのである。――この春、時親の河内の旧居においてあった蔵書一切を荷駄にして、大江へ送りとどけたときから、いちどお会い....