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「旧師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧師の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
競馬」より 著者:織田作之助
た間けちけちと蓄《た》めていた貯金もすっかり心細くなってしまい、寺田は大学時代の旧師に泣きついて、史学雑誌の編輯《へんしゅう》の仕事を世話してもらった。ところが....
新生」より 著者:島崎藤村
やっていた。何時《いつ》の間にか彼の心はずっと以前に就《つ》いて学んだことのある旧師の方へ行った。その先生が三度目に結婚した奥さんの方へ行った。その奥さんの若い....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
て行く世の中だろうと不安な語気をもらしたりした。 半蔵が横浜貿易から帰って来る旧師を心待ちに待ち受けたのは、この地方の動揺の中だ。 旅人を親切にもてなすこと....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
江戸をお立ちになりましたよ。」 これには半蔵も答えられなかった。彼は忘れがたい旧師のことを一時の浮沈ぐらいで一口に言ってしまいたくなかった。ただあの旧師が近く....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
けて、半蔵は峠村の組頭平兵衛を供に連れ、名古屋より伊勢、京都への旅に出た。かねて旧師|宮川寛斎が伊勢|宇治の館太夫方の長屋で客死したとの通知を受けていたので、そ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
り返してそこにいない友人の前へ自分を持って行って見た。今は伊勢宇治の今北山に眠る旧師から、生前よく戯れに三蔵と呼ばれた三人の学友のうち、その日記を書いた香蔵のよ....
」より 著者:島崎藤村
話に移った。 「まあ、小泉さん、よく考えてご覧なさい」という言葉を聞いて、三吉は旧師の門を出た。一歩家の方へ踏出してみると復た堪え難い心に復った。三吉は自分の家....
続獄中記」より 著者:大杉栄
してやろうかというような子供らしい考えがないでもなかった。学校を出てからも、僕の旧師でありかつ陸軍でのフランス部のオーソリティであった某陸軍教授を訪ねて、陸軍大....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
にとっては、どのような関係がございますので」集五郎にはこれが疑問らしかった。 「旧師匠なのだよ、私達のね。……これ以上は云われないよ。……一度あのお方に出られた....
戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
その土地の風光のいいことも聞いていたので、一度はいってみたいと思っていた。そこへ旧師からの誘いである。大先生の尊顔も久々にて拝みたいし、旁々かの土地を見物させて....
火星兵団」より 著者:海野十三
うことなら、僕もおよばずながら、それをやってみましょう。そうすることは、同時に、旧師に対する門下生のつとめでもあるのですから。しかし、千二君は、なるべく早く出し....
富岡先生」より 著者:国木田独歩
」と例の太い声で先生は答えた。実は招かれていないのである。大津は何と思ったかその旧師を招かなかった。 「貴様はどうじゃ?」 「大津の方からこの頃は私を相手にせん....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
けん これは先年その木像を見て私が作った歌だ。 この帰省中に日蓮は清澄山での旧師道善房に会って、彼の愚痴にして用いざるべきを知りつつも、じゅんじゅんとして法....
鍬と鎌の五月」より 著者:黒島伝治
昔の先生に対してさえ、今は、官憲としての権力を振りまわして威張っていた。そして、旧師に対するような態度がちっともなかった。運動をやっている者は、先生だって、誰だ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
苦境を見るに見兼ねて、もし仕官する希望でもあるならと片肌抜いでくれたのが語学校の旧師の古川常一郎であった。二葉亭はこの間の消息を日記に洩らして、官吏は元来心に染....