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旧情
「旧情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧情の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
が其の家の零落から人手に渡り、今度再び売り物に出たのだから、叔父は兎も角も同姓の
旧情を忘れ兼ね、自分の住居として子孫代々に伝えると云う気に成ったのだ。
買い受....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
、次第に深刻になる用紙不足の事情に対して金に物をいわせた用紙獲得を行った。同時に
旧情報局関係者、内務省関係者の協力を得て出版の民主化阻止の方向に活躍した。これら....
「源氏物語」より 著者:紫式部
御息所は決めていたから、源氏も自身で訪ねて行くようなことはしないのである。しいて
旧情をあたためることに同意をさせても、自分ながらもまた女を恨めしがらせる結果にな....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
アパートへ連れて行かせる。そこでダンサーに身の上話をさせることによって悪漢騎手の
旧情夫の存在を観客に呑込ませる。そうして後に不利な証拠物件を提供するためにダンサ....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
時、葉石《はいし》との関係につき他《た》より正式の申し込みあり、葉石よりも直接に
旧情を温めたき旨《むね》申し来るなど、心も心ならざるより、東京なる重井《おもい》....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
学堂監督として北京に在任して声望隆々日の出の勢いであったので、久しぶりで訪問して
旧情を煖めかたがた志望を打明けて相談したところが、一夕の歓談が忽ち肝胆相照らして....
「三国志」より 著者:吉川英治
たわけだ」と、びっくりして、自身彼の縛めを解き、左右の兵を退けてから、二人きりで
旧情を温め合った。 関羽はなによりも先ずたずねた。 「其許は、家兄玄徳のお行方....
「三国志」より 著者:吉川英治
を苦りきらせて、じっと曹操の眼をなじッた。 「嘘をお云いなさい。せっかく自分が、
旧情を新たにして、真実を吐こうと思えば、あなたは却っていつわりをいう。――われを....
「三国志」より 著者:吉川英治
、やがて樊城へ使いした。 「なに、曹操の使いとして、徐庶が見えたと」 玄徳は、
旧情を呼び起した。孔明と共に、堂へ迎え、 「かかる日に、ご辺と再会しようとは」と....
「三国志」より 著者:吉川英治
アッタ友ダッタ。 端ナクモ、過グル頃ヨリ敵味方トワカレ、矢石ノアイダニ別ルルモ、
旧情ハ一日トテ、忘レタコトハナイ。 イマ幸イニ、和議成ッテ、予ナオ数日、渭水ノ陣....
「三国志」より 著者:吉川英治
出して、卒に門をひらかせた。そして虞翻を迎え入れると、 「会いたかった」と、まず
旧情を訴え、 「よろしく頼む」と、次に一切を委した。 「自分が来たからには、諸事....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
かれぬかの」 「さあ、どうも」 夫婦して小首をかしげ合う様を、法師の方は、もう
旧情にみちた眼皺で、 「……ではやはり、お辺は、服部治郎左衛門に違いなかったか」....