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「旧日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
んにち》に至るまで、何等|断乎《だんこ》たる処置に出でられざるは……されば夫人は旧日の情夫と共に、日夜……日本人にして且|珈琲店《コーヒーてん》の給仕女たりし房....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
を今でもありありと想い出すことができるが、その追憶の幻像を透して、実にいろいろな旧日本の思想や文化の万華鏡がのぞかれるような気がするのである。 英国の物理学者....
物売りの声」より 著者:寺田寅彦
こういうふうに、旋律的な物売りの呼び声が次第になくなり、その呼び声の呼び起こす旧日本の夢幻的な情調もだんだんに消えうせて行くのは日本全国共通の現象らしい。 ....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
ものらしい。 それはまったく私が旅馴れないのと私の洋行以前の日常生活があまりに旧日本的であったためその生活の急激な変化が一つの原因でもあったかも知れないと思う....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
仲秋の月でさえも、今に天の定紋となってころがる時が来るだろう。 甘酒とあめ湯は旧日本の珈琲でありココアでもあったが、今は奈良公園の夏の夜の散歩において、猿沢池....
俳優と現代人の生活(対話Ⅴ)」より 著者:岸田国士
に知らず知らずのうちに近よつたという事は僕はあると思いますよ。杉村君の持つている旧日本的な女性というものは別にしても……しかし、それは、全く無関係じやあないよ。....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
たりという。 慶応義塾はこの頃、弟子いよいよ進み、その数すでに数百に達し、また旧日の比にあらず。或夜、神明社の辺より失火し、予が門前まで延焼せり。先生の居、同....
中元祝酒の記」より 著者:福沢諭吉
を施すものというべし。また我が党の士、幽窓の下におりて、秋夜月光に講究すること、旧日に異なることなきを得て、修心開知の道を楽しみ、私に済世《さいせい》の一斑を達....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
に、言行|一切《いっさい》西洋流なるにもかかわらず、内行の一点に至りては純然たる旧日本人の本色を失わざるもの多し。けだし社会一般の習俗に制せられて、醜を醜とする....
数学史の研究に就きて」より 著者:三上義夫
紹介を始め、独逸ではキール大学の教授で、同所の天文台長であるハルツェル博士が、「旧日本の精密科学」と題し、主として日本の数学史を説いた論文も現われ、それが私の研....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
の俳句は、芭蕉始め他の人々も所々に作っているけれども、その幻想の内容が類型的で、旧日本の伝統詩境を脱していない。こうした雄大で、しかも近代詩に見るような幻覚的な....
一日一筆」より 著者:岡本綺堂
ては一種の思い出がある。 私が十五歳で、築地の府立中学校に通っている頃、銀座の旧日報社の北隣――今は額縁屋になっている――にめざましと呼ぶ小さい汁粉屋があって....
銀座」より 著者:永井荷風
遠からずして全く改革された暁《あかつき》には、如何なる方面、如何なる隠れた処に、旧日本の旧態が残されるかを想像して見るのも、皮肉な観察者には興味のないことではあ....
『火星兵団』の作者の言葉」より 著者:海野十三
定める世界戦争に、うって出なければならなくなったのです。しかも、これまでならば、旧日本とでも申しますか、日本内地と植民地とそして満洲ぐらいを護っていればよかった....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
がらあの赤や白色とり/″\に美しいほおずき屋の店はカンテラの光や油煙とともに誠に旧日本の美の尤なる一つであるといってもまあそう過言でもあるまい。 銀座の縁日に....