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旧時
「旧時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
稽《こっけい》な時代錯誤であります。諸君は赤らんだ麦藁帽《むぎわらぼう》のように
旧時代を捨てなければなりません。善悪は好悪を超越しない、好悪は即ち善悪である、愛....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
らしい。覗きに来る子供を叱りながらおかみさんが斡旋《あっせん》する。私はどこまで
旧時代の底に沈ませられて行くか多少の不安と同時に、これより落着きようもない静な気....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
た。 宗教裁判の犠牲となって尊い血を流したのはこれが最後であって、これをもって
旧時代の幕は下ろされたと言ってもよい。ケプラーまた特にガリレオの諸発見によって我....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
りたりというべし。維新の際に至り、わが国の政論は政体とともに一変し、ほとんどまた
旧時の面目にあらず、あたかも維新前の二大論派がおのおのその一半を譲りて相調和した....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
流氷に舳をくだかれるか、わかったもんではないのです」 「困ったなあ。汽船なんか、
旧時代の遺物だね。潜水艦などは、大吹雪も平気で、どんどんこっちへついているんだ。....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
なるかと云うことである。一般聴衆は名人円朝のために征服せられて、寄席は依然として
旧時の状態を継続しているのであろうか。さすがの円朝も時勢には対抗し得ずして、寄席....
「岩田夫人の死を悼む」より 著者:岸田国士
犯ぞろいなのである。 前科などという言葉使いは、甚だ穏やかでないようであるが、
旧時代の男たちの間では、この種の用語に一種微妙な道徳的感慨を含めているわけである....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
現代劇」という名称を至るところで濫用している。もともと、現代劇にあらざるものは、
旧時代の演劇である。過去の演劇である。古典劇乃至準古典劇に非ざるもの、現代がつく....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
緩歩して帰る。 巴黎城外歩。 (巴黎郊外の林や丘を遊歩するに、英弗塔は天を指して
旧時のように高くそびえている。自動車は風をきって走りきたり、あるいは去る。車の音....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
収め、帳・屏風・簾などとともに列してあるのは、後にその品の用途を異にしても、なお
旧時の称呼を保存したもので、前引『釈名』や『漢語抄』の解釈は、これを屏障具という....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
日では、もはや彼らを呼ぶに小屋者などと賤しめた称をするものもありませんが、やはり
旧時の記念として、今以て歌舞伎座のような立派な建築物でも、また帝国劇場のような新....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
それは「産所考」の説明に譲っておく。 現今特殊部落と言われているものは、大多数
旧時のエタであるが、エタとは別種のものとして、ことに上方地方には夙というのが多い....
「特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
狭く渡らねばならぬということの不条理なるは、何人も異議なきことであらねばならぬ。
旧時のエタが特に疎外せられたのは、前号所載の「エタと皮多」に論じた如く、彼らが肉....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
かに大なる奉公の実を挙ぐるため武道教練に精進すべきは当然であり、国防国家の今日、
旧時代の残滓とも見るべきかくの如き特権は速やかに撤廃すべきである。中等学校以上に....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
宿屋の窓に手に取るように聞え、蛍の飛び交うのが見えたりしたものだったが、そうした
旧時のおもかげなどは疾うの昔に跡方もなく、今は一面にぎっしり家が建て詰まり、すっ....