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旧暦
「旧暦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧暦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
引手茶屋で。間も無く大引けの鉄棒が廻ろうという時分であった。 閏のあった年で、
旧暦の月が後れたせいか、陽気が不順か、梅雨の上りが長引いて、七月の末だというのに....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
、お前あの家にいないということがあるもんか」 何べん繰り返したかしれない。頃は
旧暦の二月、田舎では年中最も手すきな時だ。問題に趣味のあるだけ省作の離縁話はいた....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
たりで鹿の鳴く声がきこえた。喜んで窓をあけて見ると、空は拭ったように晴れ渡って、
旧暦八月の月が昼のように明るく照らしていた。私はあしたの天気を楽しみながら、窓に....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ま気絶をなさろうかも知れませぬ。 ――夜泣松の枝へ、提灯を下げまして、この……
旧暦の霜月、二十七日でござりますな……真の暗やみの薄明に、しょんぼりと踞んでおり....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
たまえ。」と、清はあるきながら話し出した。「君も知っているだろうが、ここらじゃあ
旧暦の盂蘭盆には海へ出ないことになっている。出るとかならず災難に遭うというのだ。....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
らも暦が新旧ともに行なわれていて、盆や正月の場合にも町方では新暦による、在方では
旧暦によるという風習になっているので、今この事件の起った正月の下旬も、在方では旧....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
ためで、隅田のながれを前にして、晩春初夏の風景を賞でるだけのことであったらしい。
旧暦の四月末といえば、晩春より初夏に近い。きょうは朝からうららかに晴れ渡って、川....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
で、なんでもお雛さまを片付けてから二、三日過ぎた頃であると、おなおさんは言った。
旧暦の三月であるから、ひとえの桜はもう花ざかりで、上野から浅草へまわる人跫のしげ....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
月、残暑のまだ強い頃であった。大抵の地方はそうであるが、ここらも町は新暦、近在は
旧暦を用いているので、その頃はちょうど旧盆に相当して、近在は盆踊りで毎晩賑わって....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
吉之助はとどこおりなく学校にかよっていた。この年の五月はとかく陰り勝ちで、新暦と
旧暦を取り違えたのではないかと思われるような五月雨めいた日が幾日もつづいた。その....
「京の夏景色」より 著者:上村松園
騒いだりする、これも夏のほほえましい思い出の一つでございます。 なんと言っても
旧暦のお盆の頃は街全体が活気づいて賑々しく、まるでお祭りのようでございます。私の....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
は、たちまち、馬腹に怪しき雲の湧くありさま。幾万|条ともなき、青い炎、黒い蛇が、
旧暦五月、白い日の、川波に倒に映って、鞍も人も呑もうとする。笠|被た馬士が轡頭を....
「死神」より 著者:岡崎雪声
自分の宿になってくれた、谷中清水町の高橋某氏の家へ遊びに行ったものだ。それは恰も
旧暦八月の一日の夜で、即ち名月の晩だったが、私は例の通り、師匠の家をその朝早く出....
「影」より 著者:岡本綺堂
か。それじゃあ夜道も安心だ。(窓のかたを見かえる。)今夜は好い月ですね。 重兵衛
旧暦の十三夜ですよ。(思い出したように笑う。)眼の前に薄は沢山|生えていながら、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
むとはその形を異にし、月球の左半面にあらずして、下半面に光を生ぜるを見る(当夕は
旧暦七月二十日なり)。 十三日、晴れ。北風船を追い来たり、暑気しのぎやすし。朝....