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旧来
「旧来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧来の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
と正当に彗星を天体であると考えていたのに、ガリレオの方はこれが地上のものだという
旧来の考えを守っていたのである。それでついにジェシュイット教徒はガリレオを告訴す....
「海異記」より 著者:泉鏡花
」 とうら寂しげな夕間暮、生干の紅絹も黒ずんで、四辺はものの磯の風。 奴は、
旧来た黍がらの痩せた地蔵の姿して、ずらりと立並ぶ径を見返り、 「もっと町の方へ引....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
読む、明盲の眼じゃ無えと思った。乙う小ましゃっくれてけっからあ。 何をして居た、
旧来は。 と厳重な調子で開き直って来た。私は、ヴォルガ河で船乗りの生活をして、....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
言う事です。また母は、その花を簪にしても似合うくらい若かったですな。」 高坂は
旧来た方を顧みたが、草の外には何もない、一歩前へ花売の女、如何にも身に染みて聞く....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
た……暴風雨の沖には、海坊主にも化るであろう。 逢魔ヶ時を、慌しく引き返して、
旧来た橋へ乗る、と、 (きりりりり) と鳴った。この橋はやや高いから、船に乗っ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
「溝へ落っこちるわねえ。」 「えへん!」 と怒鳴って擦違いに人が通った。早や、
旧来た瓦斯に頬冠りした薄青い肩の処が。 「どこだ。」 「一直の塀の処だわ。」 ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
境は俯向いた。峠に残った一軒家が、それであると聞くまでは、あるいは先達とともに、
旧来た麓へ引返そうかとも迷ったのである。 が、思う処あって、こう聞くと直ぐに心....
「「汐くみ」の画に就いて」より 著者:上村松園
を描く人がなくなって、やがて美人画は跡を断つに至るだろうと思います。 いわゆる
旧来の美人画は、画の批評家達はその芸術価値についていろいろ申されますが、私はこの....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
重太郎は既う耳にも入れなかった。これから直にお葉の行方を追う意であろう、彼は
旧来し方へ直驀地に駈けて行った。 お葉は虎ヶ窟から虎口を逃れた。 逃れたのは....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
して思想の新世界を開きたるものなり。近世の学術の新理一歩進むごとに、ヤソ教はその
旧来の解釈を変じて、学術の原則に付会せんことをつとむるにあらずや。もし、果たして....
「西航日録」より 著者:井上円了
よびスコットランドより二十万人、イタリアより十万人、ロシアより十万人、そのほかは
旧来のアメリカ人なりという。市中地価の高きこと、また仰天のほかなし。その中央にて....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
土人の多く労働に従事する一事なり。南アフリカ人の日本人に対する不深切なる原因も、
旧来土人および異人種を虐待せし習慣あるによる。また人物そのものにつきても、豪州に....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ものめずらしく、男子の学問的意識が手つだって、『古今』は女子の教養としての条件が
旧来通りはたらいて、いずれも人々の間に関係が保たれてきていたに違いないが、その中....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
て、「穢多非人廃止令」の出た明治四年八月より僅かに八ヶ月前、五条の御誓文に於いて
旧来の陋習を破りて天地の公道に基づくべしと宣し給える明治元年三月より三十三ヶ月の....
「牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
の際においてただ屠者すなわち餌取の輩のみは、その殺生を常習とする事から、相変らず
旧来の習慣を墨守して、これを喰うことを避けなかったが為に、自然と一般民から疎外せ....