旧正月[語句情報] »
旧正月
「旧正月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧正月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
六
彼の死んだ知らせを聞いたのはちょうど翌年《よくとし》の
旧正月だった。何《なん》でも後《のち》に聞いた話によれば病院の医者や看護婦たちは....
「押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
から一箇月半ほど経った新の二月の中旬を過ぎますと、もう家《うち》の事はもとより、
旧正月の仕事として外《ほか》から頼んで来る裁縫や袱紗《ふくさ》の刺繍、縫紋《ぬい....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
もながら雄大な眺めだ。 いつも朝食は富山駅前で買った餡の入った餅です。この餅は
旧正月頃に買うといつもの半値で実に安い。餅は食いやすくてよいが、重いので多量には....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
、長崎の沖の天草《あまくさ》から逃げて来た浜と云う芸者を家に入れていた。雪の降る
旧正月を最後として、私の母は、八つの私を連れて父の家を出てしまったのだ。若松と云....
「最後の胡弓弾き」より 著者:新美南吉
百姓の中で鼓と胡弓のうまい者が稽古《けいこ》をするのであった。 そしていよいよ
旧正月がやって来ると、その人たちは二人ずつ組になり、一人は鼓を、も一人は胡弓を持....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
頂きました。何よりも先ずすこしは正月らしくなったのをおよろこびいたします。本当に
旧正月がいわ。暦の上では何日でしょう。わたしは今年から生活の整理のため又日記をつ....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
は旧暦によるという風習になっているので、今この事件の起った正月の下旬も、在方では
旧正月を眼の前に控えている忙がしい時であった。例年に比べると雪の少ない年ではあっ....
「火の扉」より 著者:岸田国士
ツの下うけ仕事をもらつてくるようになつたのは、もう一月の終りで、近所の農家では、
旧正月のもちつきをはじめるころであつた。 朝から晩まで、ぶつ通しミシンを踏んで....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
あるのではないかと考えたのだ。そして、それを旧の正月十五日と考えた。そして今年の
旧正月十五日にブラリとコマ村を訪ねてみようと思って予定を立てていたが、そのとき仕....
「健康三題」より 著者:岡本かの子
り気苦労してないで、向うをご覧。海があるだろう。富士があるだろう。春じゃないか」
旧正月を祝うとて浜に引揚げられた漁船には何れもへんぽんとして旗が飜っていた。砂丘....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
村の商い店――油屋からの半期間の細々した帳面買いも、とにかくどうにか片をつけて、
旧正月も貧しいながら待っているというような時期で、村には余分の金など、地主たちを....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
上ったのであった。浩さんは次の日も来てくれて、枝の片づけをどうやら終った。それは
旧正月の二日前のことで、村では餅つきも終り、一年間の決算をつけなければならぬ間際....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
に立つ事件もなく過ぎました。私はたいてい部屋で書物を読んで暮らしています。今日は
旧正月一日で、この辺はみな旧でお祝いをいたします。今日午後私は海上一時間の航路で....
「咸臨丸その他」より 著者:服部之総
らなかっただろうところの、タイクン政府通訳官福沢諭吉氏は、見らるるごとく慶応三年
旧正月二十三日から三月十九日にわたって、十七年前のマルクスの予言がそのままの形で....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
の軽妙な隠語も、そう易々とは生まれて来なかったのである。岡山県の小田郡などでは、
旧正月の三が日、朝祝をすませてから後、戸をしめて寝ることをイナグロを積むといって....