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旧物
「旧物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧物の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
て何の功なし。古木などむやみに伐り散らすは人気を荒くし、児童に、従来あり来たりし
旧物一切破壊して悔ゆることなかるべき危険思想を注入す。いわく、最も不埒なるは、神....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
字の旗を掲げると逃げ出した。堀「尤も千万な申分である。馬場、山県、内藤等の老将も
旧物であるから棄殺ししたか」と云った。敗戦となると惨めなもので、どう云われても仕....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
はこれを鎖国説と嘲り、目するに排外的激論の再生をもってしたり。かつ固陋にして単に
旧物を慕うの論者は一強援を得たるがごとくに感じ、争い起こりてこれに和し、ついに国....
「碧玉の環飾」より 著者:田中貢太郎
らない。袁氏はまた懐から碧玉の環飾を出して老僧の前へ置いて、 「これは、この寺の
旧物である」 と、言ったが老僧にはその意味も解らなかった。 その時、庭前の樹....
「物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
出せば素量仮説が確立した方則となりえぬという道理もない。もし素量説が勝利を占めて
旧物理学との間の橋渡しができればどうであろうか。おそらくそのために従来の物理学が....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
のポテンシャルの概念規定は、根本的に変革されるに至った。人々はその時、旧力学乃至
旧物理学の破産をさえ口にしたものであった。近代の物理学の危機は、実はここからすで....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
たのは戊辰の革命以後のことである。 その頃はすべてが改った。言い換えれば、悉く
旧物を捨てて新らしきを求め出した時代である。『膝栗毛』や『金の草鞋』よりも、仮名....
「恩人」より 著者:豊島与志雄
定めて、それから封を切ってみた。断片的な簡短なる文句が続いている。 一度御地の
旧物を訪わんと存候えど、閑暇――閑暇はあり乍ら心臆して未だその期を得ざるままに日....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
くらかの直覚を有するにすぎなかった。ほの暗いしかも力強い予感が、自己と関係のない
旧物に、彼のうちで入り交じっていた。彼はそれらの
旧物から脱しえなかった。そしてそ....
「徳育如何」より 著者:福沢諭吉
ゅう》に帰し、ついで廃藩の大挙にあえば、藩主は得るところなきのみならず、かえって
旧物を失うて、まったく落路《らくろ》の人たるが如し。 従前は其藩にありて同藩士....
「学者安心論」より 著者:福沢諭吉
ひんせき》するに非ず、口にこれを称し、事にこれを行うといえども、その心事の模範、
旧物を脱却すること能わざる者なり。 これを方今《ほうこん》、我が国内にある上下....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
るものなし。あるいはいまだ西洋の事情につきその一斑をも知らざる者にても、ひたすら
旧物を廃棄してただ新をこれ求むるもののごとし。なんぞそれ事物を信ずるの軽々にして....
「中元祝酒の記」より 著者:福沢諭吉
べからざるの事変なるべきのみ。 この際にあたりて、ひとり我が義塾同社の士、固く
旧物を守りて志業を変ぜず、その好むところの書を読み、その尊ぶところの道を修め、日....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
れようとしている。井侯薨去当時、故侯の欧化政策は滑稽の思出草となったが、あらゆる
旧物を破壊して根底から新文明を創造しようとした井侯の徹底的政策の小気味よさは事毎....