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旧知
「旧知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
しい俺の脚本を、取り出してくれた。俺は、それでも「夜の脅威」という表題を見ると、
旧知にあったように懐しく思った。俺がこの三、四カ月間、焦慮に焦慮を重ねている間に....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
を務むる家柄であった。藩では、さすがにこの不幸な兄弟を見捨てなかった。兄忠次郎に
旧知半石を与えて、馬回りに取り立ててくれた。 が、忠次郎は怏々として楽しまなか....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
非常な好意をもって迎えられたのは誠に感謝に堪えない次第である。その結果として私は
旧知あるいは未知の人々からいろいろな質問を受けることになった。これらの質問の多く....
「蠅男」より 著者:海野十三
時も時、折も所、蠅男の跳梁の真只中に誰を見ても疑いたくなるとき、最も信用してよい
旧知の警官を迎えたことは、帆村にとってどんなに力強いことであったか分らなかった。....
「地球盗難」より 著者:海野十三
士と物凄い格闘が始まった。岩蔵は博士に力を貸すべきだったかも知れないが、河村とは
旧知の間柄であり、彼の強いことを知っていたので、これは面倒だと逃げだした。そして....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
克明に店や家庭に働いている。規矩男の母は、規矩男の養育の相談相手に、僅かに頼れる
旧知の家として、度々織田の家庭を訪ねるのであった。 規矩男自身と云えば、規矩男....
「断層顔」より 著者:海野十三
は後になって、谷間シズカが端麗な若者と結婚したのによって知れる。 その若者は、
旧知の人々からは「永らく行方不明を伝えられた木田健一が、ひょっくり戻って来て、昔....
「獏鸚」より 著者:海野十三
ンテリ女優だった、彼女は私と一緒にL大学の理科の聴講生だったことがあって、それで
旧知の仲だった。その玲子はあまり美人とは云えない方で、スクリーンに出ることはまず....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
先駆者のみに限られる。一体いずれの時代、いずれの国土に於ても、これに例外はない。
旧知識に満足して居る無智の大衆は、必ず新知識に向って、反抗の声を揚げるのが常則と....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
よし驚き気遣うところなり、さらに学資も送るべし、また幸いに我が西京に留学せし頃の
旧知今はよき人となりて下谷西町に住うよし、久しぶりにて便りを得たり、別紙を持参し....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
要はそれをもてなすあるじ達の心の量にあるのではなかろうか。 先日久しく訪わない
旧知のお茶人の家を訪れたところ、そこの老夫婦はいたく心から歓迎してくれた。 と....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
守でボンヤリ帰ったようなわけさ。イヤ失敬した、失敬した……」と初めから砕けて一見
旧知の如くであった。 その晩はドンナ話をしたか忘れてしまったが、十時頃まで話し....
「西航日録」より 著者:井上円了
るを遺憾とす。午前上陸、桐野領事および『華字日報』主筆潘飛声に面会す。ともに余が
旧知なり。なかんずく潘氏は、十五年前ドイツ・ベルリン東洋学校の聘に応じて、シナ学....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
船内有敵、秋津洲裏一男児。 (日光丸の船内には名医がいて、私ははじめて会ったのに
旧知の人の思いがした。豪気の持ち主で堂々としてだれもかなわない。日本国の一男児で....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
のであったが、ただそれだけのことであっただけでも今お目にかかってみれば、なんだか
旧知の感がして懐かしかった。恵美須屋さんまた伊藤君と双璧ともいうべき熱心な金沢通....