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「旧臘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧臘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
候えば、乍憚《はばかりながら》御休神|可被下《くださるべく》候《そうろう》。さて旧臘《きゅうろう》中一寸申上候東京表へ転住の義、其後《そのご》色々の事情にて捗《....
仇討三態」より 著者:菊池寛
孫太夫の家では、お正月の吉例として、奉公人一統にも、祝酒が下された。 ことに、旧臘十二月に、主人の孫太夫は、新たにお小姓組頭に取り立てられていた。二十一になっ....
乱世」より 著者:菊池寛
まるのを待とう。そう考えると、故郷の家庭の有様が、まざまざと目の前に浮んできた。旧臘京都を立つ前に、藩の御用飛脚から受け取った妻の消息の文面が、頭のうちに、消し....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
という。が女房は昌彦のそばに添伏していて、「いや、ここにいる」と頑張る。腎臓炎で旧臘から臥床の昌彦、昨日来熱があるので、動かしたがらないのはもっともである。が、....
島原の乱」より 著者:菊池寛
の攻撃によって城は今に陥るであろうが、敵敗走の際に我軍之を追わんが為である。且つ旧臘我軍攻撃に際しては諸軍救授を為さなかったから、今日は見物させて戴く事にする」....
野狐」より 著者:田中英光
、姉の家に移転してから、初めて、二つの雑誌社から、小説註文の編集者がみえた。私は旧臘からのゴタゴタで、満足な仕事もせず、世の中から忘れられたと僻んでいたときだけ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
旅順の記念にもらった砲弾信管のカラを内筒にした竹の花立に插し、食堂の六畳に飾る。旧臘珍らしく暖だったので、霜よけもせぬ白菜に蕾がついたのである。 十時過ぎ、右....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
に、桑港に着きける時、器械に修覆を要すべき事の起こりて、それがために帰期を誤り、旧臘押しつまりて帰朝しつ。今日正月三日というに、年賀をかねて浪子を伴ない加藤家よ....
火事教育」より 著者:寺田寅彦
旧臘押し詰まっての白木屋の火事は日本の火災史にちょっと類例のない新記録を残した。....
松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
それがいま、突然の死に弔らわれる人となろうとは夢のようだと思いながら案内された。旧臘《きゅうろう》解散した脚本部の人たちの顔もみんな見えた。誰れもかれも落附かな....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
い込まれていた。 戯作者《げさくしゃ》山東庵京伝《さんとうあんきょうでん》は、旧臘《くれ》の中《うち》から筆を染め始めた黄表紙「心学早染草」の草稿が、まだ予定....
当今の劇壇をこのままに」より 著者:岡本綺堂
今の劇壇、それはこのままでいいと思う。旧臘私は小山内君の自由劇場の演劇を見た、仲々上手だった、然しあれを今の劇壇に直に....
棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
文を掲げておいた方がいいのではないか、と考えています。 五 謎の決闘旧臘二十四日、全国各新聞は一斉に、社会面二段三段を抜いて――中には、四段五段を割....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
して居りました、当年もまた相変らずお願い申します」 小「はい新年で誠に目出度い、旧臘はまた相変らず歳暮を自宅の下の者までへ心附けくれられて、誠に有難い、また相か....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
紀念物調査委員として、明日の発会式のために前もって来ておられるのだ。幸い同宿で、旧臘伺い漏らした土地のお話を、ゆっくり承る機会を得たのは嬉しい。 ホテルはもと....