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旧領
「旧領〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旧領の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「山崎合戦」より 著者:菊池寛
に鄭重に過ぎたので信長が怒って途中で止めさせた事。森蘭丸が信長に近江にある亡父の
旧領がほしいと哀願したところ、三年待てと云った。ところがその
旧領は、現在光秀の所....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
で一番儲けたのは家康だ。関八州の新領土がそっくり手に入ったからである。尤も東海の
旧領と交換だった。 これより先の一日、秀吉は家康と石垣山から小田原城を俯瞰した....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
会であったのだ。 もともとこの山林事件は明治初年にはじまった問題でもなく、実は
旧領主と人民との間に続いた長い紛争の種で、御停止木のことは木曾谷第一の苦痛である....
「弟子」より 著者:中島敦
圉はつとに名大夫の誉《ほまれ》が高い。蒲は、先頃南子の讒に遭って亡命した公叔戍の
旧領地で、従って、主人を逐《お》うた現在の政府に対してことごとに反抗的な態度を執....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
ない。
もとの主君のご来着は、一夜のうちに城下の隅々まで知れ渡った。今朝はもう
旧領地であったところはすべて知って了《しま》ったろう。そしてそれと同時に、聞きか....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
家を悪く秀吉に思取られぬよう行届いた処置をした。吉隆も人物だ。小十郎が会津蘆名の
旧領地の図牒《ずちょう》の入って居る筐《はこ》を開いて示した時には黙って開かせな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
テ、誰といって親身《しんみ》になって侍《かしず》くものはあるまいし」 「いいえ、
旧領地の人たちが、有難がって大騒ぎしているということです」 「だって、
旧領地の人....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
寺の庫裡に、炉の縁で。…… 三 西明寺――もとこの寺は、松平氏が
旧領石州から奉搬の伝来で、土地の町村に檀家がない。従って盆暮のつけ届け、早い話が....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
一 何|公爵の
旧領地とばかり、詳細い事は言われない、侯伯子男の新華族を沢山出しただけに、同じく....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
かしてしまうと、主人をおッぽりだしてみんなどこかへ行ってしまった。 小沼男爵の
旧領の出身で東京へでて産をなしている筆頭がチヂミ屋だから、これに泣きついて借金を....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
知事の報告はなお完成していないが、その監督主任をしている人から、私は、フランスの
旧領土の人口は革命中減少するよりはむしろ増加したことは、確実だということだけは、....
「徳育如何」より 著者:福沢諭吉
・土百姓《どびゃくしょう》に非ずして、藩地の士族を恐れざるのみならず、時としては
旧領主を相手取りて出訴に及び、事と品によりては旧殿様の家を身代限《しんだいかぎり....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
のであったが、武則その功によって鎮守府将軍に任ぜられ、出羽より胆沢に移って安倍氏
旧領の六郡を伝領し、相変らずその地を俘囚の手に委するのやむを得なかったのであった....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
々神領の寄附があって、境内がだんだん増してはいるが、なお往々本誌巻頭挿入の神護寺
旧領地図の境界線と神籠石の線とが一致している。神護寺の領地はすなわち石城神社の旧....
「三国志」より 著者:吉川英治
の武威にあらまし慴伏してしまったが、ここになお頑健な歯のように、根ぶかく歯肉たる
旧領を守って、容易に抜きとれない一勢力が残っていた。 太史慈、字は子義。 そ....