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「旧館〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旧館の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
風景も、同じであることに気がついた。 ◯電気試験所は第一部が全焼していた。新館、旧館各棟は異状なしであった。裏門前一帯もすべて焼けつくし、第二日野校ももちろん丸....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
日にわたる検討の結果を期待して、再び会議を開いた。それが、古めかしい地方裁判所の旧館で、時刻はすでに三時を廻っていた。しかし、その日の法水には、見るからに凄愴な....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
僕の世話になっている「健康道場」と称するまことに風変りな結核療養所なのだ。新館と旧館と二棟にわかれている。旧館のほうはそれほどでもないが、新館はとても瀟洒な明る....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
つも喇叭《らっぱ》が鳴りひびいている。 小学新報社というのが私たちの勤めさき。旧館の二階の日本間に、机を八ツ程あわせて、私たちは毎日せっせと帯封書きだ。今日は....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
情が出てこの次建てるときはもっともっとよくすると盛に云っていた由。こちらの建物は旧館で、新館の方はもっと帝国ホテル流で私は気に入って居りません。こちらは白壁で、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
直そうと競って働いてる、政治界においても、または、ある者は特権者のために貴族的な旧館を建て直そうとし、ある者は民衆に開かれて集団的魂が歌うべき大広間を作ろうとし....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
かるた」が非常に好きになり、技も見る見る上達した。そこで今度は池上君にすすめて、旧館内という屋敷町で娘たちを集めさして「かるた会」を開いて、堀野を誘った。堀野は....
巨像を彫るもの」より 著者:中井正一
を払っているのである。すると、それに右にならってアメリカの国会図書館ですら、その旧館は、わざわざ円天井を造って、その下に申し合わせたように、カード箱を置いている....
歴史の流れの中の図書館」より 著者:中井正一
もたねばならぬ事としてその様式をとっているのである。アメリカの国会図書館ですら、旧館はその様式をとって不便をしのんでいるのである。かかる時代の図書館は、お経堂や....
図書館協会六十周年に寄せて」より 著者:中井正一
のロマネスクの教会風な威厳のコケ威しは、その残存物である。アメリカの国会図書館の旧館でも、レーニン図書館すらその残存物を残している。 この伝統を、欧米はいち早....
私本太平記」より 著者:吉川英治
でいると申す。――そして以後は、元弘における戦死者の霊をなぐさめんがため、高時の旧館のあとに、円頓宝戒寺の建立をするなど、ひたすら恭順の意を表しているとあるが」....
黒田如水」より 著者:吉川英治
は、ほとんど、改築というよりは、全部、再構築を要するほどな価値しかない。 で、旧館はことごとく毀たれた。新しき石垣組の線は高く美しく築かれてゆき、天守閣が建つ....