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旨く
「旨く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旨くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
が来たためです。いくら信長や秀吉が偉くても鉄砲がなくて、槍と弓だけであったならば
旨く行きません。信長は時代を達観して尊皇の大義を唱え、日本統一の中心点を明らかに....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ば得三|冷笑い、「その手はくわぬわ。また出て失しょうと思いやあがって、へん、そう
旨くはゆかないてや、ちっとの間の辛抱だ。後刻に来て一所に寝てやる。ふむ、痛いか様....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
も莞爾して、 「どうせ、騙すくらいならと思って、外套の下へ隠して来ました。」 「
旨く行ったのね。」 「
旨く行きましたね。」 「後で私を殺しても可いから、もうちと....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
くのであった。 「あの、お惣菜になすって下さい。」 「どうも恐れ入ります。」 「
旨くはありませんよ、どうせ、お手製なんですから。」 少し途切れて、 「お内です....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
なさいまし、風邪を引くと不可ません。」 弥吉は親方の吩咐に註を入れて、我ながら
旨く言ったと思ったが、それでもなお応じないから、土間の薄暗い中をきょろきょろと※....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
んじゃあないか。よくこうやって夜一夜出歩かれるねえ。」 「何、そりゃおいら整然と
旨くやってるから、大概内の奴あ、今時分は御寝なっていらっしゃると思ってるんだ。何....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
う申すんでございますよ。」と長火鉢の端が見えて、母親の声がする。 「ははははは、
旨くやりましたね、(ほんとうに中洲からお運び遊ばすんじゃあ間に橋一個、お大抵では....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
優しらしい笑を含んで熟と視め、 「こりゃお前さん、お銭にするね。」 「え、」 「
旨く手繰って聞き出したら、天丼でも御馳走になるんだろう。厭だよ、どこの誰に憚って....
「取舵」より 著者:泉鏡花
を病らッて、盲れたんだそうだが、別に貧乏というほどでもないのに、舟を漕がんと飯が
旨くないという変物で、疲曳の盲目で在ながら、つまり洒落半分に渡をやッていたのさ。....
「米」より 著者:犬田卯
―俺のぼて笊、早く。」 「どこだか、ぼて笊。――馬鹿野郎、そんなもの捕ったって、
旨くもありもしねえ。」 おせきは言ったまま、しかし万能を振りつづけていた。 「....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
らない。わたしの顔がどこに立つ? 罪人が挙っても君はまだ愚図々々している。これが
旨く行かんと乃公の責任になるんだよ」 挙人老爺は大に窮したが、なお頑固に前説を....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
をした。彼の笑いは本当の笑いとは見えない。わたしは訊いてみた。 「人食いの仕事は
旨く行ったかね」 彼はやっぱり笑いながら話した。 「餓饉年じゃあるまいし、人を....
「薬」より 著者:井上紅梅
食べたからな」 と瘤の男は大きな声を出した。 「本当にねえ、康おじさんのお蔭で
旨く行きましたよ」 華大媽はしんから嬉しそうにお礼を述べた。 「いい包だ。全く....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
で暮しているうちにだんだん貧乏して、乞食になりかかったが、幸いに手すじがよく字が
旨く書けたので、あちこちで書物の浄写を頼まれ、飯の種にありつくことが出来た。とこ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
宜しければ……」といった。「一尾結構、」と古川先生大いに満足して一尾の鰻を十倍|
旨く舌打して賞翫したという逸事がある。恩師の食道楽に感化された乎、将た天禀の食癖....