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旨し
「旨し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旨しの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
》を一匙《ひとさじ》ずつ掬《すく》って口へ入れてやるたびに、宵子は旨《おい》しい
旨しいだの、ちょうだいちょうだいだのいろいろな芸を強《し》いられた。しまいに自分....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
の事をよく『由良』と申しました。これは二十四年の旅の時、由良で喰べた奈良漬が大層
旨しかったので、それから奈良漬の事を由良と申していました。 熊本を出まして、こ....
「蒲団」より 著者:田山花袋
姉は茶を淹れる。土産の包を開くと、姉の好きな好きなシュウクリーム。これはマアお
旨しいと姉の声。で、暫く一座はそれに気を取られた。 少時してから、芳子が、 「....
「みちの記」より 著者:森鴎外
しければ、無しと答えぬ。茄子、胡豆など醤油のみにて煮て来ぬ。鰹節など加えぬ味頗|
旨し。酒は麹味を脱せねどこれも
旨し。燗をなすには屎壺の形したる陶器にいれて炉の灰....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
り、種々に苛め、私に何も教えて呉れませんで仕損るようにばかり致し、お茶がはいって
旨しい物を戴いても、源助が一人で食べて仕舞って私にはくれません、本当に意地の悪い....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
させもしますまい。食うとなりゃ、蟹の面だ。ぐつぐつぶくぶくと煮えて、ふう、ああ、
旨しそうだ。」 と被さるように鼻を持って行ったと思うと、 「ニャーゴ!」 あ....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
|乃至二寸、身は蝦にて、螯だけが蟹也。この夜、渓畔に天幕を張り、これを煮て食う。
旨しとは思わざるが、ともかくも余には初物也。天麩羅にすれば
旨しと、嘉助氏いえり。....