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旨味
「旨味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旨味の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
ら、江戸への土産によい女郎衆をお世話しよ。京の女郎と大仏餅とは、眺めたばかりでは
旨味《うまみ》の知れぬものじゃ。噛みしめて味わう気があるなら、お前も若いお侍、一....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
す」と、半七も考えていた。「しかし旦那の前ですが、その平仄の合わねえところに何か
旨味《うまみ》があるんじゃありますまいか。ともかくもちっと洗いあげてみましょう」....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
……ちっと婆さんだが好い女だなア」 長「そうだ、装も立派だのう」 兼「だが、
旨味の無え顔だ、笑いもしねいでの」 長「塩梅がわるかったのだから仕方がねえ」 ....
「蒲団」より 著者:田山花袋
したが、やがては全く忘れて、女学生の寄宿生活をこの上なく面白く思うようになった。
旨味い南瓜を食べさせないと云っては、お鉢の飯に醤油を懸けて賄方を酷めたり、舎監の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
でないから醒《さ》める時があるだろう、偽《いつわ》りの情から醒めてみねば、真実の
旨味《うまみ》がわからん、どのみち、真実なものが勝つのだから、あまり心配せんがよ....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
るような、というと水のようだが、水のように淡くはない、シンミリとした何とも言えぬ
旨味《うまみ》のある声だ。力を入れると、凛《りん》と響く。脱《ぬ》くと、スウと細....
「香熊」より 著者:佐藤垢石
ども、熊掌料理を仕上げるには少なくとも十日間位を要し、その味は脂肪の固まりに似て
旨味ありて、口ざわりよく、かつ軽い苦み味を持っていると、説いているのである。 「....
「魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
を箸につまんで舌端に乗せれば、唾液にとけて、とろとろと咽喉に落ちる。風味、滋味、
旨味、いやほんとうに何とも申されぬ。この鮮醤の持つ舌への感覚は魔味と称して絶讃す....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
して、薄い脂肪がほんのりと唾液を誘う。肉片の適当に分解したところを捕らえた烹調の
旨味は、昔の料理書にある熟して燗せず、肥にして喉ならず、といった頃合ではないかと....
「すっぽん」より 著者:佐藤垢石
いる。 また、川魚では初秋の冷風に白泡をあげる峡流の奥から下ってくる子持ち鮎の
旨味と、木の葉|山女魚の淡白にも食趣の満足を覚えていたのであった。そしてちかごろ....
「ザザ虫の佃煮」より 著者:佐藤垢石
ては珍中の珍だ。肉に濃淡の風味を持ち、歯切れがなんともいわれないのである。瀬虫の
旨味、わが天瀧河畔の人々でなければ、知る者はあるまいと思うが諸君、騙されたと思っ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、これだって身の皮を剥いでくれたほどの深切です。何しろ、ひどい空腹の処へ、素的に
旨味そうだから、ふうふう蒸気の上る処を、がつがつして、加減なしに、突然頬張ると、....
「筍の美味さは第一席」より 著者:北大路魯山人
より京阪は本場である。関東のそれは場違いとしたい。目黒の筍など名ばかりで、なんの
旨味もない。京都では、洛西の樫原が古来第一となっている。その付近に今ひとつ、向日....