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早さ
「早さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
早さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
すか。」
馬琴は不快を感じるとともに、脅かされるような心もちになった。彼の筆の
早さを春水や種彦のそれと比較されるということは、自尊心の旺盛《おうせい》な彼にと....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
それとほとんど同時に、第二の私は丁度|硝子《ガラス》に亀裂《きれつ》の入るような
早さで、見る間に私の眼界から消え去ってしまいました。私は、夢遊病患者《ソムナンビ....
「星座」より 著者:有島武郎
ところきらわず続けさまになぐりつけた。それは思わず清逸をたじろがすほどの意外な素
早さだった。
「出ていけ、これは俺の部屋だい。出ていかねばたたき殺すぞ」
やが....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
私は胸を折るようにして、前のめりに木戸口へ駈出した。挨拶は済ましたが、咄嗟のその
早さに、でっぷり漢と女は、衣を引掛ける間もなかったろう……あの裸体のまま、井戸の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
らを腰のあたりの荒布にこすりつけて熱を呼び起こしながら、帆綱を握って、風の向きと
早さに応じて帆を立て直している。雇われた二人の漁夫は二人の漁夫で、二尋置きに本縄....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ければならない。同様にまた、これらのものの精神的の性能、特にその思考能力、理解の
早さ、概念の鋭さ活発さ、連想の力、処理の
早さ等、要するに天賦の完全さは、彼らの住....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
600kg 1ton 胴太 ◯朝七時、まだ寝床にいたとき、警報鳴りひびく。この
早さに、さてはと思う間もなく、東部軍管区情報が出て「敵小型機約五十機、南方より本....
「恐竜島」より 著者:海野十三
えたが、まさか…… が、とつぜんその赤黒い島は、水面下にもぐってしまった。その
早さったらなかった。電光石火《でんこうせっか》のごとしというたとえがあるが、まさ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
時間か」
丸木はそう叫ぶより早く、体をぐっとちぢめると、床の上を目にもとまらぬ
早さで這出した。そうして、あっと思う間もなく、かたわらにおいてあったドラム缶のよ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
驚いたらしく、まるで猫のように素早く、井戸端の向こうにまわって身を隠した。その素
早さが、どうもただの男ではない。 「さあ出てこい。怪しからん奴だ」 と、中尉の....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
思うと、水はひたひたと畳に上った。 「ええ、」といって学士も立った。 「可恐しい
早さだ、放すな!」と滝太郎は背をお雪に差向ける。途端に凄じい音がして、わっという....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
し、海の上を汽船でとおってみてもわかります。ところが蒸気の速力などは、光がはこぶ
早さにくらべれば、なまけものがのそのそ歩いているか、かたつむりがむずむずはってい....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
る。白い煙。砲車の逆行。薬莢の抛擲。弾薬の運搬。ああ。見ていて眼が痛くなるほどの
早さである。もうそれは人間業ではない。鬼神が乗り移つて日本のために超スピードの砲....
「活人形」より 著者:泉鏡花
大音に、「赤城様、得三様。」いうかと思えば姿は亡し。すでに幕の後へ飛込みたるその
早さ消ゆるに似たり。 かれもこれも一瞬時、得三は眼血走り、髪逆立ちて駈込つ、猶....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
ドは犬をぶちのめそうと、むちをふりまわした。 そのとき、男は、目にもとまらぬす
早さで、ぱっと力まかせに犬をけとばした。 ふいをくらった犬は、よろよろとよろめ....