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早仕舞
「早仕舞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
早仕舞の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ったに失われるものではなかった。夕方、蝶子が出掛けて行くと、柳吉はそわそわと店を
早仕舞いして、二ツ井戸の市場の中にある屋台店でかやく飯とおこぜの赤出しを食い、烏....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
が。) と云う。――姉さんが来て、今日は火が燃える、大火事があって危ないから、
早仕舞にしてお帰りなさい。先生にそうお願いして、と言いますから……家へ帰らして下....
「わが町」より 著者:織田作之助
ずにか、夕方蝶子が三味線を入れた小型の手提げ鞄をもって出掛けて行くと、そわそわと
早仕舞いして、二ツ井戸の市場の中にある屋台店で、かやく飯とおこぜの赤出しを食べ、....
「坑夫の子」より 著者:葉山嘉樹
ラス取り、砂揚げの連中は「五分」で上ってしまった。 坑夫だって人間である以上、
早仕舞いにして上りたいのは、他の連中と些も違いはなかった。 だが、掘鑿は急がれ....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
二人の事を考え考え帰るのだが、或日――たしか土曜日だったかと思う、土曜日は学校も
早仕舞なので、三時頃にそうして二人の事を考えながら帰って見ると、主人夫婦はいつも....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
であります。 私はこの悪習慣をぜひ改むるの必要ありと考えまして、閑な時は如何に
早仕舞しても結構という事にしまして別に配当の新法を始めました。その方法は、従来の....
「鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
すぎまでかかりつめていて、近所から安眠妨害だと文句を云われることもあった。たまに
早仕舞いをしたときは銭湯へ行ってゆっくり手足を伸ばしてくるか、隣家の紺屋へ遊びに....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
歳が幾人も来ます。鉦や太皷を鳴らすばかりで何にも芸のない獅子舞も来ます。松の内|
早仕舞の銭湯におひねりを置いてゆく人も少いので、番台の三宝の上に紙包の雪を積み上....
「越年」より 著者:岡本かの子
早々からあんたを急き立てるのはどうかと思って差控えてたのよ。それに松の内は銀座は
早仕舞いで酒飲みなんかあまり出掛けないと思ったもんだから」 明子は言い訳をした....
「野槌の百」より 著者:吉川英治
も、から身ではなく、孫みたいにしているお稲の子を負ぶって。 「百さん、きょうは、
早仕舞にしない?」 お稲は少しういた声で、先に風呂にはいって、洗い髪にうす化粧....