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「早出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

早出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
番|持《もち》がいゝと云うので、職人が這入ってどし/\日の暮れるまで仕事をして、早出《はやで》居残りと云うのでございます。職人方が帰り際には台所で夕飯時《ゆうめ....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
標に印す想い出一つさえ、今では失われてしまったではないか。 それからほどなく、早出に篠宿《しのじゅく》を発った一人の旅人が、峠の裾はるか底に、一団の火焔が上る....
新生」より 著者:島崎藤村
です。姉が郷里《くに》から出て来てくれることに成っていますからね」 「姉さんは最早出ていらしったんですか」 「いえ、まだ……来月でなきゃ」 「あなたは今月のうち....
」より 著者:島崎藤村
。復たお房は泣出した。 「それ、うまうま」 と子供に乳房を咬えさせたが、乳は最早出なかった。お房は怒って、容易に泣止まなかった。 炉に掛けた鉄瓶の湯はクラク....
あの顔」より 著者:林不忘
に交錯していた。 「崖くずれがあるかもしれぬ。あのお寺の墓地に。」 お久美は、早出の用意に脚絆など揃えながら、手を休めてそう思った。 手のつけようのない晩飯....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いえ、時刻が早過ぎる、それにお前の身体《からだ》はぐしょ濡れだな」 「ちょっと、早出する用事がございまして、これへ通りかかりますると、あなた様方が、ここにお見え....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
といったようなものが満ち渡るのに、この屋敷の内部での動揺驚愕は如何《いかん》……早出の大工が中橋のまんなかで生首を発見したのとほぼ同時、代官屋敷の邸内では、離れ....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
文「新兵衞殿、ようお出で下された、かく成り果るも自業自得、致し方がござらぬ、最早出帆の時刻、お役人にお手数をかけては相済まぬから、早くお帰り下さい」 役「其....
株式仲買店々員」より 著者:ドイルアーサー・コナン
まえ、ワトソン」 彼は叫んだ。 「ロンドンの新聞だ。イブニング・スタンダードの早出しだ。ここに僕たちの知りたいと思ってたことが出ている。頭の仕事を見たまえ。―....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
れによるほかないのです。 その面倒な規則を守ってあなた方は正確に出勤する。最も早出は午前三時半までに。冬の朝、この寒天にと私は店の方を思いやり、白い息を吐きな....
天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
の花は家々の園で黄金のような色を見せ夢のように仄な白木蓮は艶かしい紅桃と妍を競い早出の蝶が蜜を猟って花から花へ飛び廻わる――斯う云ったような長閑な景色は至る所で....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
醒めなければ名案も出ない。 仄かな暁の蒼褪めた光が戸の隙間から射し込んで来て、早出の花売りの触れ声が聞こえる時分になっていたが、彼の苦吟は止まなかった。 「余....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る。 主人は鶴見にこっそりいった。「きょうは一月遅れの七夕ですから、初穂として早出来の甘藷を掘って見ました。」 こういって、主人は自席へ戻って行った。 ほ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
》の馬場の中屋敷ね、あすこの西尾様お長屋の普請場へ面《つら》出しすべえとこちとら早出だ、すたすた来かかってふいと見るてえとこの獄門じゃあねえか、いや、親分の前《....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
。それも大抵カッフェーにいる間から予《あらかじ》め知れていることで、今日のような早出の朝、不意に尋ねて来ることは滅多にない。君江は昨夜のことが知れたのではないか....