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早寝
「早寝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
早寝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
がした。それほど座敷の中には寺らしい閑寂の気が罩《こも》っていた。だから私はよく
早寝をした。が、床にはいっても容易に眠くはならなかった。雨戸の外では夜鳥《よどり....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
を浴びて、彼の横顔は露を帯びたように白く見えた。 「あら、林さん」 「たいへんに
早寝だね」と、林之助は笑っていた。「姐さんはもう寝たのか」 お君にあとを閉めさ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
う、九ツ少しまえだったかと思いますがね、少しかぜけでございましたので、いつもより
早寝をいたしまして、ぐっすり寝込んでいると、いきなり雨戸がばりばりとすさまじい音....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に無数の星の光りがきらめき出した。これから何処へ出るというあてもないので、今夜は
早寝かなどと云っていると、表の格子をあける音がきこえて、子分の亀吉が茶の間へ顔を....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
い月の中から抜出したようで気高いくらい。成程この婦の母親なら、芸者家の阿婆でも、
早寝をしよう、と頷かれる。 「まあ、よくいらしってねえ。」 と主税の方へ挨拶し....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
庭下駄を突っかけて、大きい銀杏の下に降り立つと、星の光りすらも見えない暗い夜で、
早寝の町はもう寝静まっていた。広い庭を囲っている槿の生垣を越して、向うには畑を隔....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
カの手にのらないようにしなければならぬ。とりあえず夜分の当直は私が引受け、そして
早寝をすることにしよう。 ◯二度の空襲とも、夢のなかで空襲を見ていた。初めのとき....
「家」より 著者:島崎藤村
こう独語のように言って、三吉は探してみた。表の入口の戸が明いていた。隣近所でも最
早寝たらしい。向の料理屋の二階だけは未だ賑かで、三味線の音だの、女の笑い声だのが....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
来るよろしいです」 イワノフ博士は、にこにこ顔で、それをいった。 正太の
早寝 『人造人間の家』を出てのかえり道、マリ子はたいへん機嫌がわるかった。 「兄....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
の中に金が有るから遣って呉れ」 と総花でずらりと行き渡ります。 山「さア今夜は
早寝にして、兼公は久し振だから半治の脇へ寝かして、師匠、お前と己は此方へ寝よう」....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。夢之助は午後の三時すぎに荒巻をともなってわが家へ帰り、時ならぬ昼酒を飲んだのは
早寝と見せてぬけだすため。ねむると見せて荒巻にはクロロホルムをかがせたのち、裏木....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、地声が低いからきこえないのが当然だった。 隣家にあまり険悪な様子もないので、
早寝の草雪は自然にねむくなって、いつのまにやらねむりこんで、翌朝、太陽が高くあが....
「雪女」より 著者:岡本綺堂
は懐中時計を透かしてみると、午後六時を少し過ぎた頃であった。ここらの人たちはみな
早寝であるが、堀部君にとってはまだ宵の口である。いくら疲れていても、今からすぐに....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
まあゆっくりお話しなさい。私は御免を蒙ってお先へ休みますからな。 高田 相変らず
早寝ですね。 李中行
早寝は昔からの癖ですよ。 (李は笑いながら寝室に入る。二人....
「小生のあけくれ」より 著者:北大路魯山人
て、寝たいだけ寝る。野鳥の自然生活にすこぶる似ているのが、小生のあけくれである。
早寝、遅起き、昼寝好き、八時間以上十二時間は寝る。眼が覚めたとなれば常人の幾倍か....