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「早技〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

早技の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
きらり、玉散る銀蛇が、星月宵にしゅッと閃めいたと見えるや、実にぞっと胸のすく程な早技でした。声もなく左の二人が、言った通りそこへぱたり、ぱたりとのけぞりました。....
明暗」より 著者:夏目漱石
なった。 「相変らず緩漫だな」 緩漫と思い込んだあげく、現に眼覚《めざま》しい早技《はやわざ》で取って投げられていながら、津田はこう評するよりほかに仕方がなか....
金の目銀の目」より 著者:豊島与志雄
奇術《きじゅつ》の法でやってみます」と、キシさんは答えました。 「目にも止まらぬ早技《はやわざ》です」 キシさんは静かに進んでいきました。そして捕虜達の側に立....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
つぶやいたとたん、おや! と思うと、ぐっとひねった居合腰、同時に眼にもとまらぬ早技《はやわざ》でひゅういと空にうなった切支丹《きりしたん》十字の呪縛剣《じゅば....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
ら、どんな邪魔をするか知れないのだ。 竜次郎は咄嗟に覚悟をした。 「えいっ」と早技。力一杯に手裏剣を打った。それは刀の小柄を抜いたのだ。五十間飛ばしたのは見事....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
寝の番の武士であろう。ジ――と隙をうかがって、 「うぬ! 曲者ッ」 気殺の声と早技。 弦之丞の脾腹を狙って、りゅうッと突きだした手槍のケラ首! 対手をはずし....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、おいッ」 と、しきりに呼びとめる声がする。それは旅川周馬らしい。 怖るべき早技で、一人を斬り、一人を蹴仆し、疾風|迅雷に駈け去った弦之丞の姿は、時既に、遠....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
かに、お久良と新吉へ、初めての会釈をする。そして、静かに、笠を払った。 今の、早技にも似ず、鬘をつけたような五分|月代に、秀麗な眉目の持ち主。 あっけにとら....
私本太平記」より 著者:吉川英治
「おのれ」 魔気のこもった薙刀で、 「変化、変化、変化」 と、斬りつけて来る早技も、高時の芸には似気ないものだった。高氏は身を交わしつつ、やっと、彼の手もと....