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「早月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

早月の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
した。 こういう事があってから五日《いつか》とたたぬうちに、葉子の家庭すなわち早月家《さつきけ》は砂の上の塔のようにもろくもくずれてしまった。親佐はことに冷静....
或る女」より 著者:有島武郎
によれば、岡の従妹《いとこ》に当たる人が幽蘭女学校に通学していて、正月の学期から早月《さつき》という姉妹の美しい生徒が来て、それは芝山内の裏坂に美人屋敷といって....
単独行」より 著者:加藤文太郎
部谷は雲が一杯詰っていて、鹿島や五竜が真白い頭をちょっと出しているだけです。また早月にも雲があってときどき劔をかすめています。劔沢の雪はクラストでした。ちょっと....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
戸の隙から雷が光った。而して颯と雨の音がした。起きて雨戸を一枚|繰って見たら、最早月が出て、沼の水に螢の様に星が浮いて居た。 (二) 明方に....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
アヤメともアヤメグサとも呼んでいてよく歌に詠まれたもんだ。彼の「ほととぎす鳴くや早月のあやめぐさ、あやめも知らぬ恋もするかな」の歌はその代表的なもんだ。今日アヤ....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
の名があり、またサユリという名もある。サユリはサツキユリの略されたもので、それは早月《さつき》(旧暦の五月、今日《こんにち》では六月に当たる)のころに花が咲くか....
越中劍岳先登記」より 著者:柴崎芳太郎
枚岩であるが、上部は立山の噴火せし際|降り積りしと思わるる岩石のみである、東南の早月川方面の方は赤褐色を帯べる岩で、北方は非常の絶壁でその支峰もいずれも剣を立て....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
獣の足跡を慕う猟夫のように、水を噴いた草鞋の痕に跟いて、脇目もふらず辿って行く、早月川の谷を下りた時のことが不図思い出された。 水を渡ったり崖に喰い付いたり、....