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「早耳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

早耳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
地は酔眼を女将に向けながら、 「何」 と尻《しり》上がりに問い返した。 「そう早耳を走らすとつんぼと間違えられますとさ」 と女将《おかみ》は事もなげに受け流....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
円の小切手を渡すといきなり言った。 「先生、何か情報ありまへんか。僕のほしいのは早耳と、それから、お嬢さんです」 いつの間に見染めたのか、陽子を妻にくれという....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ざか》で、孫太郎虫の売り子の娘っ子が、首を絞められて殺されているというんですよ。早耳一番やりのおきてがあるからにゃ、この事件は早く聞きつけたあっしとだんなのもの....
婦系図」より 著者:泉鏡花
そうである。 「ここで甘酒を飲まなくっては、鳩にして豆、」 と云うと、婆さんが早耳で、 「はい、盆に一杯五厘|宛でございます。」 「私は鳩と遊びましょう。貴下....
蠅男」より 著者:海野十三
聞くだけ、貴下が腹を立てるようなものだけれど――」 「ナニ帆村荘六の透視術?」と早耳の検事はその言葉を聞き咎めて、「――おい君、善良な警官を悪くしちゃ困るよ」 ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
百五十機なりという。警報解除一時間にして、相当大きな火災も全部消えたという。 ◯早耳の報道によれば、今日は尾久や日暮里附近がかなりやられたという話。 ◯敵機去っ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
たのは、建札に足早き者とあった、その早足自慢の男に違いない。耳敏き者とあったその早耳の男も沢山交っているとみえて、歩きながらも内証話をきき出そうと、しきりにニヤ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
くれたというのである。 聞く蒲生泰軒の眼が、チカリと光った。 「ウム、彼なれば早耳地獄耳、江戸の屋根の下の出来ごとは、一から十まで心得ているにふしぎはない。そ....
大脳手術」より 著者:海野十三
女が予ねて愛する男へ捧げられたという。今後油断をすると飛んでもないことになるぞ、早耳生――というのだ。 珠子にかねて愛する男があったとは、私の方で否定するわけ....
地獄の使者」より 著者:海野十三
を擁しても解けないとは。……検事さん、兄は心臓麻痺で死んだという話だが――ええ、早耳でね、僕のところへも聞えて来ましたよ――するてえと兄は病気で急死したんじゃな....
社会時評」より 著者:戸坂潤
である。尤も、「満州事変の際には目黒区に居住の有力な某政治浪人(特に名を秘す)の早耳により約十万円を儲けて同人に献金した事実があり」と読売新聞(九月二十八日付)....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いに、外出していたところへ、芝居に騒動が持上って、見物が役者をとっちめたと聞いた早耳で、血相をかえて舞台へ飛んで来て、いきなり百姓呼ばわりをしたのが悪かったので....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
がしと通人が名乗ったのを、そそっかしい下駄っかけが、よつやっとんび(四ツ谷鳶)と早耳に聞いてしまったのでしょう。それを取りつくろって木口親分が、 「先生、江戸は....
南国太平記」より 著者:直木三十五
るか、知ってるかい」 「そこまでは調べておらんな。和、漢、蘭の書物にも、巾着切の早耳話ってのは、書いてないよ。これが本当に、わかんらん」 「びっくりしなさんな、....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
じで」 「いや、拙者ばかりではない。既に出羽殿にも御承知」 「へえ――、えらいお早耳で」 「出羽殿より早速これを御上の御耳にも入れたところ、以ての他の事。しかし....