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早鐘
「早鐘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
早鐘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
その声でやっと我に返りましたが、総身はびっしょり冷汗《ひやあせ》で、胸さえまるで
早鐘をつくように躍っていたとか申しました。でございますから、北の方《かた》を始め....
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
僕はここぞと切りこんだ。 博士は、うーむと呻った。手応えがあったのだ。僕の胸は
早鐘のようにおどる。 「いかにも、火星には生物が棲んでいる。生物が棲んでいるから....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
の群が、はっきりと双眼鏡の奥に吸い込まれた、いろんな顔が重なっている、ドレゴは、
早鐘のように打ちだした自分の心臓を気にしながら、美しい若い女性の顔を探し始めた、....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
帰って湯に入って、寝たが、綿のように疲れていながら、何か、それでも寝苦くって時々
早鐘を撞くような音が聞えて、吃驚して目が覚める、と寝汗でぐっちょり、それも半分は....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
った膝の前、あの懐しい紙風船が山と積まれているのだ。 (おお。――) 私の胸は
早鐘のように鳴りだした。風船を両手でかき集め、しっかり圧えたい衝動に駆られた。だ....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
あいけないよ。入れちゃあいけないよ……」 誰だろう? 警官だろうか。妾の胸は
早鐘のように躍った。 ジジーン。ベルは再びけたたましく鳴った――もうお仕舞いだ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
めない。日本酒なら、小さな盃の五分の一も甜めると、爪の先まで真っ赤になって、胸は
早鐘のように動悸うつ。奈良漬けを五切れ六切れ食べてもやはりおなじようになる。サイ....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ひょっとしたら、あれではないかしら) 房枝の胸は、それを考えついたとき、まるで
早鐘のように鳴りだした。 ああ、あの花籠だ! あれこそ爆薬入りの花籠ではなかっ....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
十分たってもかえってこない。正太はどうしたろう。マリ子は、急に心細くなって、胸が
早鐘のように鳴りだした。 (兄さんは、どうしたのでしょう。すぐ出てくるといったの....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
方板で囲まれたところといえば……。 「おお、そうだッ。――」 八十助の心臓は、
早鐘のように鳴りだした。 「これは棺桶の中だ。棺桶の中に違いない!」 彼の胸に....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
杖の一棒をくらったごとく、ぐたりとなって、畳にのめった。 がんがんがんと、胸は
早鐘、幽にチチと耳が鳴る。 仏間にては、祖母が、さっきの言を真に受けて、りんな....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
こさ)という動物にて、うわさせし人の影なりける。 良夫と誤り、良夫と見て、胸は
早鐘を撞くごとき、お貞はその良人ならざるに腹立ちけむ、面を赤め、瞳を据えて、屹と....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
火上の鳥の羽のようにもがいた。やがて子供は動かなくなってしまった。 私の心臓は
早鐘を打つようにどきどきした。ああ、いつかの小鳥の心臓! 私は子供の死体を溝に投....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
そりゃこそ出たわ、怯えまいか、大工の馬五郎ならざるものも、わッと笑う子供の声も
早鐘のごとく胸を打って、横なぐれに、あれは狸坂と聞く、坂の中へ、狸のような色にな....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
思わなかった、印刷して見ると我ながら拙なくて読むに堪えない」と、読終った時は心が
早鐘を突く如くワクワクして容易に沈着いていられなかったとある。 なるほど、前に....