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昂奮
「昂奮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昂奮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
をむしった。
「僕はお母さんが死んでも悲しくない。」
「嘘つき。」
洋一は少し
昂奮《こうふん》して云った。
「悲しくなかったら、どうかしていらあ。」
「嘘じゃ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ぶるぶる震えながら床の上にぶっ倒れていた。彼れは闇の中に突っ立ちながら焼くような
昂奮《こうふん》のためによろめいた。
(四)
春の天気の順当であ....
「星座」より 著者:有島武郎
覚を失うほど冷えこんでいた。それに反してその頭は勇ましい興奮をもって熱していた。
昂奮《こうふん》が崇《たた》ったのか、寒い夜気がこたえたのか、帰途につこうとして....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
つものであるか。第二次世界大戰以後、全体主義にたいする憎しみが世界を支配し、その
昂奮いまだ覺めやらぬ今日、これにつき種々概念上の混迷を生じたのは無理からぬことで....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
島田の女の影がうつっているのではないか。僕はいまだかつて経験したことのない愕きと
昂奮のために、呼吸をはずませるばかりだった。 「これなら大丈夫ですわよ。……時間....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
ぎをやっている囚人たちは、絶えず視線をチラリチラリと紙風船の作業場へ送って、快い
昂奮を貪るのであった。 風船をつくるには、色とりどりの蝋紙の全紙を、まずそれぞ....
「海底大陸」より 著者:海野十三
大号外!」 日ごろ冷静なロンドン市民も、この大ニュースを聞いて、たれも彼もみな
昂奮してしまった。どの家のまどもぽんぽんとひらく。往来へかけだす者がある。なんの....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
が、後で彼は例の封の破れた手紙をポケットから出して拡げてみたところ、これは彼を
昂奮させずには置かなかった。すなわち一枚の紙に書かれた全部は、悉く片仮名ばかりの....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
仏の顔を見上げ、「いつでも、話をしてあげますわ。でも、今はよしましょう。あなた、
昂奮していらっしゃるようね。すこしおやすみになったらどうです。あたしも、なんだか....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
漢のことを、人間と思っていないという話だが、本当かね」 と訊く室戸博士は、ある
昂奮を圧し隠しているように見えた。 「は。それはまだはっきりといいきれませんが、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ったのか……。』 死の自覚が頭脳の内部ではっきりすると同時に、私は次第に激しい
昂奮の暴風雨の中にまき込まれて行きました。私が先ず何よりつらく感じたのは、後に残....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
たことに基因する。あのような重大問題を論ずるに当りては、われ等とても、勢い多少の
昂奮を免れない。天授の神律に対する絶対服従の必要を、地上の人類に強調せんとする時....
「暗号数字」より 著者:海野十三
記載してあった。 帆村荘六は、この木村事務官との会見によって、珍らしいほどの大
昂奮を覚えた。なかなか手剛い相手である。こっちへ送られて来た来月の暗号の鍵を、い....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
眼とがなければとても書けないものであった。あるいは不満足なる媾和に憤慨した余りの
昂奮で筆が走ったので、平素の冷静な二葉亭ではかえって書けなかったかも知れない。こ....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
ベートーヴェンの姿には、見るものの心を引き裂くような痛切なものがあった。」感激の
昂奮のため彼の創痕がまたしても口を開いた。しかもなお彼は「彼の悲しい運命に同情の....