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「昂揚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

昂揚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
て行くと音楽のような楽しいリズムを指の腹に感ずる。地の高まりというものは何と心を昂揚さすものであろう。人を悠久に飽かしめない感動点として山は天地間に造られている....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
は私たちは男竹斎に女竹斎ですか」 「まあ、そんなところだろう」 私たちの結婚も昂揚時代というものを見ないで、平々淡々の夫婦生活に入っていた。父はこのときもう死....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
害を最小限度化すべきである。 政府及び軍部に対して希望するのは、よろしく士気を昂揚するようなことをやってもらいたいことである。たとえばB29を国民の目の前で撃....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
れたが、またも、むす子と離れている自分を想い出すと、急に萎れ返り、晴々しい気持の昂揚なぞ、とても長くは続かなかった。 バスはMの学生地区にさしかかった。五六人....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
房御返事)」 一体日蓮には一方パセティックな、ほとんど哭くが如き、熱腸の感情の昂揚があるのだ。たとえば、竜ノ口の法難のとき、四条金吾が頸の座で、師に事あらば、....
貞操問答」より 著者:菊池寛
の接吻――それは、偶発的でも、突発的でもない……。 前川の気持は、青年のように昂揚し、幸福と歓喜に躍り上った。もちろん、それ以上のものを求めようなどという気持....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
みるみる「|鷹の城」は海底に沈みはじめた。 いったん法水は、自分の神経が病的な昂揚状態に入ったかと疑った。が、それは夢ではなかった。彼は、硝子越しに立ちあがる....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
から思い泛べていただきたいですがね」 法水は、この時、眼前の儀右衛門が、精神の昂揚状態に入っているのではないかと疑った。 いろいろな影像が入れ代り立ち代り、....
演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
による戯曲の上演。 宗教劇 宗教的な題材によつて、その宗教の教義の伝道乃至信仰の昂揚を目的とするもの。カトリック教の秘蹟劇などは、その一種である。 怪奇劇 怪奇....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
が衰弱しきった病弱者だからである。結局そういう結論を宝塚のパチンコ屋で戦意とみに昂揚している娘たちが教えてくれるのである。 だからアベックは仕方がない。自然に....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
よく為しうることではない。家出、それに自殺という気分も若干つきそって甚しく悲愴に昂揚していた心事の際であっても、いきなり人を刺すことは多くの人の為しがたいところ....
」より 著者:岡本かの子
岸、橋、よその船等、舞台の空幕のように注意の外に持ち去られる。ひょっとして競漕の昂揚点に達すると、颱風の中心の無風帯とも見らるべきところの意識へ這入る。ひとの漕....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
国会軽視を糾弾するのが、不信任案賛成の第五の理由であります。 第六点は、道義の昂揚、綱紀粛正の面から吉田内閣を弾劾し、不信任案に賛成せんとするものであります。....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
達する。 彼の感情を分析してみることに慣れていない聴者といえども、幻想を与え、昂揚を与えるこの音楽の中に、根強い一つの霊魂的(psychique)なモチーフの....
味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
この自覚に立っているかどうか。今流行の日本主義はともかくとして、幸いにその気運が昂揚されている折柄でもあるから、この機を逸せず日本の真髄をしかと掴み、真に日本の....