昂騰[語句情報] »
昂騰
「昂騰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昂騰の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
胃の中に這入っていることを知るまで、彼を悩ました。武器の注文は益々増大して賃銀は
昂騰した。それは、ついに、ジミーのような正直な社会主義者をすら有頂天にした。が、....
「厨房日記」より 著者:横光利一
て罷業進行の結果は金利が引き下がり、日々直接身に響いていくばかりではない。物価の
昂騰につれて右翼の非常手段がいつ爆発するか分らぬ恐れがあった。つまり、梶の眼に映....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
来ているインフレーションは、表面上の労働賃銀をぐんぐん上げて、その頃までは物価の
昂騰と労働賃銀の増大とはほぼ釣り合いを保って上向きに来たのであった。けれども、こ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るのと、もう一つは、飽くまで魚肉を食うから、それで肉体の燐分が豊富になり、色慾が
昂騰するのだというものがある。それは比較的そうかも知れないが、それを以て、房州の....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
役の需要と供給とが均等となるまで、この需要が供給に超過しまたは不足することにより
昂騰しまたは下落する価格においての用役の量を、取引証書で表わしていると仮定すれば....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の余地がない。消費者は急速に増加していくであろうが、しかしこの穀物価格は、現在の
昂騰せる土地地代、集積せる消費税、騰貴せる労働価格の下においては、確かに農業者を....
「上海」より 著者:横光利一
布の購買力が上り出した。外品の払底が続き出した。紐育とリバプールと大阪の棉製品が
昂騰した。 参木はこの取引部の掲示板に表れた日本内地の好景気の現象に興味を感じ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
「道誉、望みの件は、もう心配すな。あとは、例の楮幣の人気を、お辺がどんなふうに
昂騰させるものやら、それをわしは見ているばかりだ。うまくゆくかな?」 「それこそ....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
在の所蔵主へ移るまでには、なおそれから幾人もの手を転々して、価格も数倍、数十倍に
昂騰して行ったに違いなかろうが、さるにても国宝級のものが、つい十七、八年前までは....