»
昇
「昇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
に書いてあるのは、――「煙草の煙は天国の門です。」徐《おもむ》ろにパイプから立ち
昇《のぼ》る煙。
19
煙の満ち充ちた飾り窓の正面《し....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
んすい》の香《かおり》などが、その中から絶え間なく晴れ渡った秋の空へ、うらうらと
昇って参ります。
するとその供養のまっ最中、四方の御門の外に群って、一目でも中....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
さんの存在を証明するように、白壁《しらかべ》を背にした空間の中へ時々かすかに立ち
昇《のぼ》っている。窓の外の風景もやはり静かさには変りはない。曇天《どんてん》に....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
うしてその光の中に、大勢《おおぜい》の男女の歓喜する声が、澎湃《ほうはい》と天に
昇《のぼ》るのを聞いた。
「大日※貴《おおひるめむち》! 大日※貴! 大日※貴!....
「河童」より 著者:芥川竜之介
などが集まり、七色《なないろ》の色硝子のランタアンの下に煙草《たばこ》の煙を立ち
昇《のぼ》らせていました。そこに裁判官のペップが来ていたのは何よりも僕には好《こ....
「彼」より 著者:芥川竜之介
いてある文句だった。僕はこう云う文句を読み、何冊かの本が焔《ほのお》になって立ち
昇る有様を想像した。勿論それ等の本の中にはいつか僕が彼に貸したジァン・クリストフ....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
が若竹へ通った時分だって、よしんば語り物は知らなかろうが、先方は日本人で、芸名|
昇菊《しょうぎく》くらいな事は心得ていたもんだ。――そう云って、僕がからかったら....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
彼を襲《おそ》い出した、薄明るい憂鬱《ゆううつ》ばかりである。彼はパイプから立ち
昇る一すじの煙を見守ったまま、しばらくはこの憂鬱の中にお嬢さんのことばかり考えつ....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
いつのまにかストオヴの胴に触れていたと見え、革の焦げる臭気と共にもやもや水蒸気を
昇らせていた。
「それも君、やっぱり伝熱作用だよ。」
宮本は眼鏡《めがね》を拭....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
いねい》に御時宜《おじぎ》をすると、静かに青空を踏みながら、だんだん高い雲の中へ
昇って行ってしまいました。
医者夫婦はどうしたか、それは誰も知っていません。た....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た。どうかするとまたその屋根の上には、火食《かしょく》の煙が幾すじもかすかに立ち
昇っている様も見えた。彼は太い柏の枝へ馬乗りに跨《また》がりながら、長い間その部....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
が加わる度に、蓆敷《むしろじき》の上の看客からは、何度も笑声《しょうせい》が立ち
昇《のぼ》った。いや、その後《うしろ》の将校たちも、大部分は笑《わらい》を浮べて....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
》と神秘とに充《み》ち満《み》ちたエジプトの最後の女王ではないか? 香の煙の立ち
昇る中に、冠の珠玉でも光らせながら、蓮《はす》の花か何か弄《もてあそ》んでいれば....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ァラデーと別居していて、息子の仕送りで暮し、時々協会にたずね来ては、息子の名声の
昇り行くのを喜んでおった。 ファラデーは結婚してから一ヶ月ばかりして、罪の懺悔....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
、遂にはまったく見えなくなってしまう。急速力で走る汽車でヨーロッパを横切り、その
昇降口から眺めてみよ。ひと、ひと、ひと、どこまで行っても人だ。数限りない見知らぬ....