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「昇り降り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

昇り降りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
眉山」より 著者:太宰治
なんですよ、あの眉山は。」 「うん、それで一つ思い出した事がある。あいつの階段の昇り降りが、いやに乱暴でしょう。昇る時は、ドスンドスン、降りる時はころげ落ちるみ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
である。 茲で一寸と此の室の大体を云って置きたい、此の室は塔の半腹に在るので、昇り降りの人が此の室へ這入るに及ばぬ様に室の四方が四方とも廊下に成って居る、塔の....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かった。ここらの小さい家では梯子段を取り付けてあるのではなく、普通の梯子をかけて昇り降りをするのであるが、その梯子をはずしてあるので、上と下との通路が絶えている....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
で、主人が西洋人から手に入れて珍重するという寒暖計の性質も知らず、その気候温度の昇り降りを毎日の日記につけ込むほどの主人が燃えるような好奇心をもよそに、暇さえあ....
刻々」より 著者:宮本百合子
った。自分はよく眠り、体に気をつけてはいるが、膝頭がこの頃ではガクガクして二階の昇り降りが不便なのは事実である。 十二日に、看守が、 「又、君たちの仲間がひっ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の何階目に隠してありますから、お前さん、取ってお出でなさい」 しかし塔の上には昇り降りの人が多い。そこに金を隠してあるなどは疑わしい。こいつ、おれを担ぐのでは....
思い出すかずかず」より 著者:宮本百合子
かしいもので、きく、きく、しながらそのひとは一向かまわず、而も得意で廊下や段々を昇り降りする。私は日向の廊下に腰をかけ、空の乾いた傘棚に肱をもたせながら、思い極....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
であろうか。たとい石燈籠を足がかりにしても、町育ちの若い娘がこの高塀を自由自在に昇り降りすることは、とても出来そうには思われなかった。 半七はなにを考えたか、....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の亡骸とを引き取るためであったが、今度は別になんの邪魔もなかった。ただその階段を昇り降りするときに、例の跫音を聞いたほかには、わたしの注意にあたいするような出来....
山上湖」より 著者:豊島与志雄
あるのか、覗き見ることも出来ない高い絶壁で、鉄の梯子がさがっている。若い人たちが昇り降りしていた。 その鉄の梯子から少し離れた横手に、私達は腰を下した。断崖の....
蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
を呼ばず、自分から階段を降りていった。ちょっとした物を持ち運ぶにも、自分で階段を昇り降りした。呼んで下さればわたくしが、といくら久子が言っても、自分で動いた。随....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
、少し間を置いて、「あが蜥蜴まろ」といい足した。 庭つくりすゑしいはほをしが山と昇り降りすもあがとかげまろ 鶴見はこんな歌を即興によんだことがある。その折のこ....
吊籠と月光と」より 著者:牧野信一
ネスの樽をおしている詩人を軽蔑《けいべつ》し、統一のための統一に無味無色の階段を昇り降りし続けている物理学生と絶交して快哉《かいさい》の冠を振った。そして彼らの....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
名な御堂がありました。形は細く高い堂で、ちょうど蠑螺の穀のようにぐるぐると廻って昇り降りが出来るような仕掛けに出来ており、三層位になっていて大層|能く出来た堂で....