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「昇殿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

昇殿の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
が受け合うた。大納言など頼んでいては埒があかぬ。近日のうちに、忠通が病気を押して昇殿する。とこうの故障を申し立つる者があったら、予が直きじきに言い伏せて見する。....
」より 著者:楠山正雄
した。けれどどういうものか、あまり位が進まないで、いつまでもただの近衛の武士で、昇殿といって、御殿の上に上ることを許されませんでした。それである時、 「人知れぬ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
に届いたとき、彼はもう一度手紙を書いた。そして、急いで白宮殿に参内した。しかし、昇殿は許されなかった。「ずいぶん長い間、わたしを手玉に取ったではないか。今度は、....
法然行伝」より 著者:中里介山
法然答えて、 「わしは云い甲斐なき遠国の土民の生れである。全く天子の御所へなど昇殿すべき器のものではないが、上より召されたから二度までも殿上へ参ることになった....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
孫だというが、家柄はあまり高くなく、右兵衛尉に任じた。恐らく一生つとめても五位の昇殿、国守になる位で、四位はなかなかむつかしかったろう。しかしすばらしい富豪であ....
三国志」より 著者:吉川英治
戟を持って、その階下に立っていた。 或る折。 天子に政事を奏するため、董卓が昇殿したので、呂布はいつものように戟を執って、内門に立っていた。 壮者の旺な血....
三国志」より 著者:吉川英治
をみはった。 禁中へ伺候すると、帝は、階下遠く地に拝伏している玄徳に対し、特に昇殿をゆるされて、何かと、勅問のあって後、さらに、こう訊ねられた。 「其方の先祖....
私本太平記」より 著者:吉川英治
では見える。 彼らはなべて、位階が欲しい、いかめしき官職名にありつきたい、また昇殿の栄を欲しがっている。尾を振る犬のごとく、衣冠の餌には、右往左往するのがつね....
私本太平記」より 著者:吉川英治
八月の五日。 高氏はめずらしく、左兵衛ノ督の衣冠で、参内した。 さきに、昇殿をゆるされ、位記では、途上の牛車もはばかりない身分である。ふっくらと、ふくら....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ある。いかにお憎しみであろうと、少なくも昨日までは院庭に見ておられた義仲である。昇殿もゆるされ、将軍号まで与えられた臣下なのだ。臣下の罪はまた法皇にも一半の御責....