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昇給
「昇給〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昇給の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
負けたという意味の唄が未だ大阪を風靡していたときのことだった。その年、軽部は五円
昇給した。 同じ年の暮、二ツ井戸の玉突屋日本橋クラブの二階広間で広沢八助連中素....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
映画会社には恩給制度、退職手当に関する制度がほとんど行なわれていない。年功による
昇給に関する確然たる規定がない。賞与に関する規定がない。 規定がないということ....
「わが町」より 著者:織田作之助
は、見習期間の給料が手弁当の二十五円で、二月経つと三十円であった。なお、年二回の
昇給のほかに賞与もあり、さらに主任の話によれば、 「なんし、広い大阪やさかい、電....
「舗道」より 著者:宮本百合子
らの待遇がちがった。重役の縁辺の者だと、入社当時の月給は同じだが、一年ずつの定期
昇給の率や賞与の率がずっと高いのであった。 「――私だってこれで憚りながら入ると....
「ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
て ――ねえ、旦那。あっしゃもうこれで一年以上お情金で食って来たんだがその方の
昇給って奴はねえもんかね? こういうエハガキを売るビショップ町ではキャベジ一つ....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
。 一般に官吏は他の職業人に較べて社会的に優遇されている。黙っていても昇進し又
昇給することは当然の約束なのだし、場合によっては形式的にせよ身分保証まで出来てい....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
どということは、その優遇の抑々末端である。身分保障、恩給、退職手当、年金、官舎、
昇給、其他から云って、決して民間のサラリーマンの比ではない。それに官吏の背景には....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
るし、三十円ぐらいの悲しいような石もあって、稀には、月給がいくらボーナスがいくら
昇給するようにと詳細に数字を書いた石もあった。節分の夜、燃え残った神火の明りで、....
「雨」より 著者:織田作之助
負けたという意味の唄がまだ大阪を風靡していたときのことだった。その年、軽部は五円
昇給した。 その年の暮、二ツ井戸の玉突屋日本橋クラブの二階広間で広沢八助連中素....
「選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
メモを返せ。帰るから」 「結論の一行を書きたしてもらッてからでもおそくはないぜ。
昇給のチャンスだからな。このメモの中に金一封があるんだけど、君の力だけじゃアね」....
「頭と足」より 著者:平林初之輔
先へ降りる者があるってことに気がつくなんざ頭のいいもんだなあ。お蔭で来月あたりは
昇給かな。田中の奴、おれが息せききってかけつけたと思っているが、豈《あに》計らん....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
会って来たが、なかなか間に合いそうな男だね」喬介が云った。「この事件で、あの男の
昇給は間違いなしだよ」 「じゃあもう、真犯人が判ったんですか?」 「勿論さ。昨晩....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
ちっとも私の尻に敷かれていないのだろうか。ともかくあの人は、会社の年に二回の恒例
昇給にも取り残されることがしばしばなのだ。あの人の社には帝大出の人はほかに沢山い....
「雨」より 著者:織田作之助
シヤが負けたという意味の唄が未だ大阪を風靡していたころである。その年、軽部は五円
昇給された。 その年の秋、二つ井戸天牛書店の二階広間で、校長肝入りの豊沢広昇連....
「わが町」より 著者:織田作之助
は、見習期間の給料が手弁当の二十五円で、二月経つと三十円であった。なお、年二回の
昇給のほかに賞与もあり、契約勧誘の成績によっては、特別手当も出るという。尋常を出....