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昇騰
「昇騰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
昇騰の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
――人造人間の手によって。 数百台の攻撃ロケット艇が地表から天空真一文字に
昇騰していった。地下では砲弾や毒ガス弾や解磁弾が山のように作られていった。皆人造....
「鬱屈禍」より 著者:太宰治
すなわち、「芸術は常に一の拘束の結果であります。芸術が自由であれば、それだけ高く
昇騰すると信ずることは、凧のあがるのを阻むのは、その糸だと信ずることであります。....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
従って『両者(組合法及び外国貨物の輸入に対する高き関税)によって惹起される価格の
昇騰《しょうとう》はどこでも結局、国の地主、農業者によって支払われる』というのは....
「地上」より 著者:島田清次郎
方ばかりの手摺を持って囲ってある穴倉の入り口があった。暗い穴の口から、地の底から
昇騰する冷気がひえびえと室内に充ちて来る。婆さんは汗を滴らしながら、薄縁をしいて....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
。軍法にそむく者の最期はみじめである。 中隊長機はくるりと身をひるがえして、急
昇騰をやり、勇ましくも『富士』に立ち向って来た。 「日本の怪物よ。A国海軍は降伏....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
両方から手を振って愉快な交驩をしたが、次の瞬間には練習機はじゃれつくように急
昇騰して、旅客機の背中をすれすれに飛ぶと、すいと失速旋回をして、見る間に百米も後....
「尾瀬沼の四季」より 著者:平野長蔵
枝に一尺からの雪が積る。一度烈風が襲来すると、雪は吹き捲られて煙の如く渦を巻いて
昇騰し、面を向くべき方もなく、ただその猛威に慴伏《しょうふく》するばかりである。....
「創作の心理について」より 著者:和辻哲郎
は小さい心臓の内に沸き返っている。我々の筋肉は痛苦の刺激によって緊張を増す。この
昇騰の努力を表現しようとする情熱こそは、我々が人類に対する愛の最も大きい仕事である。....
「上海」より 著者:横光利一
転する。――彼は瓶を掴んで振ってみた。泡は、泡とは、圧迫する水の圧力を突き破って
昇騰する気力である。参木は芳秋蘭らの率いる支那工人の団結力が、彼の会社の末端から....
「三国志」より 著者:吉川英治
が見るのは実に大吉夢といわねばならん。なぜならばこれを卦について観るならば、変化
昇騰の象となるからだ。按ずるに将軍は今から後、かならず大飛躍なされるだろう。そし....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
り速かに上昇すれば、四周の空気から熱を取るか取られるかする暇がないから、結局この
昇騰《しょうとう》空気には熱の出入りがないと見ても大過ない。理論上から計算する時....