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明かす
「明かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
明かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
はまた一晩中、秦淮《しんわい》あたりの酒家《しゅか》の卓子《たくし》に、酒を飲み
明かすことなぞもある。そう云う時には落着いた王生が、花磁盞《かじさん》を前にうっ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
しかし彼は自分でも歯がゆいほどに男らしくなかった。女の前で宿なし同様の今の身分を
明かすのは如何にも辛かった。彼の胸の底には、やはり佐野のお大尽で押し通していたい....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ことと思われない。しかしこれは飽《あ》くまで事実であった。ではこの事実をどう説き
明かすか。それはゼムリヤ号の煙が、もう少し治るのを待たねばならない。 第一報飛ぶ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
木の機嫌を取っているのではないかとも思われた。どうせ吉弥が僕との関係を正直にうち
明かすはずはないが、実は全く青木の物になっていて、かげでは、二人して僕のことを迂....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
のである。わが国の沙翁近松は劇作の第一原則の一つとして、見る人に作者の秘密を打ち
明かす事が重要であると定めた。弟子たちの中には幾人も、脚本をさし出して彼の称賛を....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
た。 その一人は足を傷つけて宿舎へも帰られず、かの樹の下に転がったままで一夜を
明かすと、夜半に及んで何者か尋ねて来たらしく、樹にむかって話しかけた。 「戦いは....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
今夜は泊まってゆけと勧めると、女はそれをも拒まないで、遂にその一夜を喬生の家に
明かすことになりました。それらの事は委しく申し上げません。原文には「甚だ歓愛を極....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
肯かないのである。 「おまえ達はほかの部屋に寝ろ。おれはどうしてもあの楼に一夜を
明かすのだ」 あくまでも強情を張り通して、彼は妻子|眷族を別室に宿らせ、自分ひ....
「春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
きる手がこごえてくる。軒から小屋にはいこんで、雪の穴に火を焚きながら吹雪の一夜を
明かすと、春はまったくかげをひそめた。槍沢の小屋の屋根に八尺の雪をはかり、槍沢の....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
今夜は泊まってゆけと勧めると、女をそれをも拒まないで、ついにその一夜を喬生の家に
明かすことになった。それらのことはくわしく言うまでもない、「はなはだ歓愛を極む」....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、また、あなたの神経が非常に強いというのであれば格別、さもなければあの家で一夜を
明かすということは、まあ、お考えになったほうがよろしくはないかと思います」 「い....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
のがどのくらいありがたいかしれない。そこでぼくたち、夜だけ、人間のかたちになって
明かすのだからね。まったくこの岩でもなかったら、ぼくたちは、好きなふるさとへかえ....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
なったのでございますが、二人ながらおちおち眠られませんでした。 寝苦しい一夜を
明かすと、あしたは晴れていて朝から暑くなりました。雷に撃たれた銀杏の木は、大きい....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
まの筆すさび、もとより人に見しょうとて書き留めたものでもなければ、あらためて説き
明かすほどの理屈も法もござらぬが、ともかくも、わざわざ尋ねてまいられたからは、わ....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
ことかえって上るよりも遅く、昨日にぎやかに野宿せしあたりにて、雨に濡れながら夜を
明かすなるべしとて、心落付かず。心配しても仕方なしと思いながらも、なお心配せしが....