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明く
「明く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
明くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《おなくな》りになってしまいました。が、それは先ず、よろしいと致しましても、その
明くる日、若殿様が何気なく御居間へ御出でになると、螺鈿《らでん》を鏤《ちりば》め....
「影」より 著者:芥川竜之介
び返した。
「おはいり。」
その声がまだ消えない内に、ニスの※のする戸がそっと
明くと、顔色の蒼白い書記の今西《いまにし》が、無気味《ぶきみ》なほど静にはいって....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
白
「もう月の出だな。いつもは月が出るのを待ちかねる己《おれ》も、今日ばかりは
明くなるのがそら恐しい。今までの己が一夜の中《うち》に失われて、明日《あす》から....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
聞き入れになって下すったからね。」
と、何度も繰り返して云ったそうです。
さて
明くる日になって見ると、成程《なるほど》祖母の願がかなったか、茂作は昨日《きのう....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
羽織の腰を擡《もた》げて、※々《そうそう》店の方へ退こうとした。その途端に障子が
明くと、頸《くび》に湿布《しっぷ》を巻いた姉のお絹《きぬ》が、まだセルのコオトも....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
の前を横ぎって、数人の旅客の佇《たたず》んでいる停車場が、くら暗と雨との中をうす
明く飛びすぎる。本間さんは向うの気色《けしき》を窺《うかが》いながら、腹の中でざ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
ん》を食べる事も出来はしません。」と、あべこべに医者をやりこめるのです。
さて
明くる日になると約束通り、田舎者の権助は番頭と一しょにやって来ました。今日はさす....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、蹌踉《そうろう》とお島婆さんの家を飛び出しました。
さて日本橋の家へ帰って、
明くる日起きぬけに新聞を見ると、果して昨夜竪川に身投げがあった。――それも亀沢《....
「星座」より 著者:有島武郎
いと思っているんだがね。そんなことは貧乏な親父に相談してみたところで埒《らち》は
明くまいけれども、順序だから話だけはしてみるつもりなのだ。……でその手紙をおぬい....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。――その話にでも嫌いな按摩が。 ええ。 待て、見えない両眼で、汝が身の程を
明く見るよう、療治を一つしてくりょう。 で、翌日は謹んで、参拝した。 その尊....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
のである。 十七 しばらくして、浦子は玉ぼやの洋燈の心を挑げて、
明くなった燈に、宝石輝く指の尖を、ちょっと髯に触ったが、あらためてまた掻上げる。....
「しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いふうをしていました。 「よしあしたまで待ってろ」と、小鬼はいいました。 さて
明くる朝になってこどもたちが起きてくると、一本足の兵隊は、窓のうえに立たされまし....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ません。夜番が死んだまま生きかえらないのです。さっそく知らせる、相談がはじまる、
明くる朝、死体は病院にはこばれました。 ところで、月の世界へあそびにでかけたた....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
方向を見やっている。その姿を煤煙と電燈の光との中に眺めた時、もう窓の外が見る見る
明くなって、そこから土の匂や枯草の匂や水の匂が冷かに流れこんで来なかったなら、漸....
「活人形」より 著者:泉鏡花
お藤は手足を縮め紛る。得三は腕まくりして老婆を見返り、「お録、一番責めなきゃ埒が
明くめえ。お客の前で※き廻ると見苦しい、ちょいと手を貸してくれ。老婆はチョッと舌....