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明くる年
「明くる年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
明くる年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
、それは全く失敗に終った。余事は格別、縁談に就いて彼は誰の相手にもならなかった。
明くる年の春は来た。田面《たづら》の氷もようやく融《と》けて、彼岸の種|蒔《ま》....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
さなきだにふだんからかよわいからだの女房は苦労の重荷に圧《お》しつぶされて、その
明くる年の春に気病《きや》みのようなふうで脆《もろ》く死んでしまった。 六三郎....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
て来た。彼はもう執念深く彼女を責める気にもなれなかった。 「父御《ててご》はあの
明くる年に死なれたそうな」と、彼は声を沈ませて言った。 「おお、御奉公に出た明く....
「ゆず湯」より 著者:岡本綺堂
た笑い顔を見せなくなった。三味線の音もちっとも聞かせなくなった。 なんでもその
明くる年のことと記憶している。日枝《ひえ》神社の本祭りで、この町内では踊り屋台を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ごろ何を掛け合っているかと半七は考えた。 五 嘉永六年の冬は暮れて、
明くる年の七年の春が来た。歴史の上では安政元年と云うが、その年号が安政と改まった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
申し渡された。 これでこの怪談は終ったが、ついでに付け加えて置きたいのは、その
明くる年に桐畑と津の国屋とに二組の縁談の纒まったことであった。一方は常吉と文字春....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
た笑い顔を見せなくなった。三味線の音もちっとも聞かせなくなった。 なんでもその
明くる年のことと記憶している。日枝神社の本祭りで、この町内では踊り屋台を出した。....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の来たのを見て、かれは猴を捨てましたが、もう半分ほどは食われていました。 その
明くる年、李遇の一族は誅せられました。故老の話によると、郡中にはこの怪物が居りま....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ったが、秦棣の兄は宰相であるので、誰も表向きに咎める者はなかった。但し秦棣はその
明くる年に突然病死した。 そのあとへ楊厚という人が赴任した。ある日、楊が役所に....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
。そうして、例の幕の内や口取の土産を買って来て貰うのを楽しみにしていた。 その
明くる年の六月、「霜夜鐘十字辻筮」が新富座の二番目狂言として上演された。これは二....
「つばめと乞食の子」より 著者:小川未明
議がっていた。つばめとなった乞食の子は、南の暖かな国へいって王さまとなった。その
明くる年から、毎年一|度ずつ、昔の村へ飛んできた。そこには自分のねた森がある。ま....
「牛女」より 著者:小川未明
くなりかけた時分に、一|時に虫がついて、畑全体にりんごの実が落ちてしまいました。
明くる年も、その
明くる年も、同じように、りんごの実は落ちてしまいました。それはな....
「自分で困った百姓」より 著者:小川未明
の中にしまってある芋を、いつまでも外に出すことができませんでした。そして、ついに
明くる年になって、やっとそれを出してみますと、すっかり芋は腐っていました。甲は、....
「つばきの下のすみれ」より 著者:小川未明
冬となって雪が降って、地面も、つばきの木も、みんな、雪の下になってしまいました。
明くる年の春のことであります。つばきの花が、真紅に咲く時分に、やはりすみれも紫の....
「いちじゅくの木」より 著者:小川未明
と、吉雄くんのいちじゅくの木も、ぐんぐん大きくなってゆきました。そして、早くも、
明くる年には、みごとな実が幾つもついたのであります。 これを見て、吉雄くんは、....