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明ける
「明ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
明けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
るのかもしれない。「坊やはいい子だね。おとなしく、ねんねしておいで、今にじき夜が
明けるよ。」――彼女は、こう胎児にささやいた。が、腹の中の身動きは、やみそうで、....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
か?――わたしは咄嗟《とっさ》にこう思いましたから、庭に向いた障子《しょうじ》を
明けるが早いか、行燈《あんどん》の火を掲《かか》げて見ました。雪の深い茶室の前に....
「影」より 著者:芥川竜之介
ーブル》の上にはその次に、指環の箱が二つ出て来た。白天鵞絨《しろびろうど》の蓋を
明けると、一つには真珠の、他の一つには土耳古玉《トルコだま》の指環がはいっている....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
それは含芳と言う人だよ」
僕は譚の顔を見ると、なぜか彼にはおとといのことを打ち
明ける心もちを失ってしまった。
「この人の言葉は綺麗《きれい》だね。Rの音などは....
「貉」より 著者:芥川竜之介
全く娘の機転である。――恋は昔から、何度となく女にこう云う機転を教えた。
夜が
明けると、母親は、この唄の声を聞いた話を近くにいた蓆織《むしろお》りの媼《おうな....
「葱」より 著者:芥川竜之介
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とうとうどうにか書き上げたぞ。もう夜が
明けるのも間はあるまい。外では寒そうな鶏《にわとり》の声がしているが、折角《せっ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
、心細い事を云いながら、大儀そうに食卓の前を離れた。それから隔ての襖《ふすま》を
明けると、隣の病室へはいって行った。
「ソップも牛乳もおさまった? そりゃ今日は....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
、それを断行する勇気がありません。そこで達雄に愛されていることをすっかり夫に打ち
明けるのです。もっとも夫を苦しめないように、彼女も達雄を愛していることだけは告白....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、爽かな力に溢《あふ》れているようであった。
彼は後《あと》も振返らずに、夜が
明けるまで歩み続けた。森林の夜明けは美しかった。暗い栂《とが》や樅《もみ》の空が....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
蔵の身の上に、取り返しのつかない事でも起っては大変と、とうとう男に一部始終を打ち
明ける気になったのです。が、それも新蔵が委細を聞いた後になって、そう云う恐しい事....
「或る女」より 著者:有島武郎
ょうの午後に。ところが検疫医がこれなんだ」
事務長は朋輩《ほうばい》にでも打ち
明けるように、大きな食指を鍵形《かぎがた》にまげて、たぐるような格好をして見せた....
「或る女」より 著者:有島武郎
の気ではいるのだけれども、病気ではしかたがないでしょう。それに恥ずかしい事を打ち
明けるようだけれども、木村さんにもわたしにも有り余るようなお金がないものだから、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
)衝動によってその少女を欲するなら、あなたは先ずその少女にあなたの切ない愛を打ち
明けるだろう。そして少女が若しあなたの愛に酬いるならば、その時あなたはその少女を....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
ら、闇のなかに絶えず我が子の名を呼びつづけ、夜あるきをする獣を怯えさせながら夜が
明けるまで馳け※った。――女房はまた女房で、戸口の石のうえにべッたり腰をついたま....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
やったりしたので、朝方になって、大変よく眠りました。お神さんが早く起きて、雨戸を
明けると、そこから明るい太陽が遠慮なく射し込んで来ました。お神さんは、急に自分が....