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「明け暮れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

明け暮れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
わせている。七年前に死んだ惣領《そうりょう》の息子が今まで達者でいたらとは、母が明け暮れに繰り返す愚痴であった。 「よけいなお世話だが、早くしっかりした婿でも貰....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
、御利益がのうでか」と、千枝松はすぐに答えた。「み仏を疑うてはならぬと、叔母御が明け暮れに言うておらるる。わしも観音さまを信仰すればこそ、こうしてお前と毎夜連れ....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
遣《や》りがあるだろう。巡査というものを知ってるから。婚礼の席に連なったときや、明け暮れそのなかのいいのを見ていたおれは、ええ、これ、どんな気がしたとおまえは思....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て済ませてしまったが、奥方はひどくそれを気に病んで、なにかの禍いがなければよいと明け暮れに案じているうちに、先月の末、些細なことから奥方の神経をおびやかすような....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
であるが、あの兜の小判があれば当分は豪遊をつづけられる。その妄念が増長して、彼は明け暮れにかの兜を睨んでいるうちに、寺社方の指図として兜の金銀は取りのけられるこ....
去年」より 著者:伊藤左千夫
の問題も死の問題だ。営業も不景気も死の問題だ。文芸もまた死の問題だ。そんなことを明け暮れ考えておった。そうして去年は暮れた。 不幸ということがそう際限もなく続....
河明り」より 著者:岡本かの子
通通りすがりの旅客として水辺の旅館に滞在するならば、なんの絆も出来るわけはない。明け暮れただ河面を眺め乍ら、張り亘った意識の中から知らず知らず磨き出されて来る作....
馬妖記」より 著者:岡本綺堂
とい身腹は分けずとも、仮りにも親と名のつく者の男を寝取るとは何事であると、お福は明け暮れにおらちを責めた。まして鉄作にむかっては、ほとんど夜叉の形相で激しく責め....
孟母断機」より 著者:上村松園
た。 母は、その遊びを眺めながら、これは困ったことを覚えたものであると思った。明け暮れお葬式の真似をしていたのでは、三つ子の魂百までもの譬えで、将来に良い影響....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
実にここにあった。取り分けて小坂部はその点に就いては、かれの若い胸を痛めていた。明け暮れに胸を痛めた結果が、かれを駆って兼好の庵へ走らせたのであった。もうこうな....
小さな赤い花」より 著者:小川未明
て、 「よくきてくださいました。私は、毎日ここで寂しい日を送っていました。そして明け暮れ、あなたや、みつばちのおたずねくださるのを、どんなにか待っていましたであ....
けしの圃」より 著者:小川未明
連れられていってしまったものと思ったが、私は、その日から、病気になってしまって、明け暮れおまえの身の上ばかり案じていた。おまえは子供の時分に片方の目がいけなくて....
お姫さまと乞食の女」より 著者:小川未明
ろ、お姫さまは、どうなさっていられるだろう。早く帰ってきてくださればいい。」と、明け暮れ思っていました。 女の乞食は、ふたたび、気ままな体になって、花の咲く野....
海ぼたる」より 著者:小川未明
することができなかったのです。 娘は、西にそびえる高い山を仰ぎました。そして、明け暮れ、なつかしい故郷が慕われたのです。三|年たてば、恋しい母や父が、やってく....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
邸は窮屈なので、早速この家に移りました、のびのびとした、それこそ新婚生活のような明け暮れを過せるものと、希望に輝いていた私は、帰還した日から、すっかり失望してし....